はじめに
繰り上げ返済をすると住宅ローン控除額はどうなるのか?
収入が10年間変わらないと仮定して、それぞれの場合で試算してみました。
<繰り上げ返済なしの場合>
繰上げ返済をしない場合、10年経過後のローン残高が約2000万円となり、上記1840万円以上となるため、ローン控除の額は約184万円となります。
<パターン1:毎年100万円ずつ繰上げ返済をする>
5年目までは、18万4100円で繰り上げ返済なしの場合と変わらず。6年目以降は繰り上げ返済に合わせて控除できる金額が減っていき、10年間の総額で、約160万円となります。
<パターン2:5年毎に500万円ずつ繰上げ返済をする>
10年総額で約176万円となります。
このように、単純に住宅ローン控除の効果だけを考えると、繰り上げ返済しないのが一番効果があり、次点がパターン2、パターン1となります。
パターン別、繰り上げ返済による利息軽減効果は?
それを踏まえて、今度は繰り上げ返済の利息軽減効果についてみていきましょう。
<繰り上げ返済なしの場合>
借入額2700万円を固定1.5%、返済期間35年の場合、まったく繰り上げ返済しなかった場合の今後の返済総額は、概算で3472万1321円となり、利息合計が772万1319円となります。
<パターン1:毎年100万円ずつ繰り上げ返済をする>
もし、毎年100万円ずつ繰り上げ返済をすると、返済期間が35年から約15年となり、今後の返済総額が3006万5911円、利息合計が306万5912円で、約466万円の利息軽減効果があります。
<パターン2:5年毎に500万円ずつ繰り上げ返済をする>
5年毎に500万円ずつ繰り上げ返済をすると、返済期間が約16年、返済総額3082万2053円、利息合計が382万2054円で、約390万円の利息軽減効果です。
<パターン3:ローン控除が終わってから繰り上げ返済をする>
ローン控除期間の10年間が終わってから、まとめて10年分1000万円の繰り上げ返済を実施し、その後、毎年100万ずつ繰り上げ返済を継続していくと仮定すると、返済期間が約16年、総返済額が3100万3288円、利息合計が400万3288円となり、約372万円の効果です。
<パターン4:繰り上げ返済をせずに資産運用にまわす>
繰り上げ返済をせずに資産運用にまわす場合、シンプルに考えるとローンの金利である1.5%よりも、運用で増やすことができれば、繰り上げ返済をするよりも効果が出ることになります。ただし、もちろん運用にはリスクがありますので、必ずしも1.5%以上で増やせると確約されるものではないので、それを含めて検討する必要があります。
ただ、大幅に増やせる可能性もなくはないので、リスクはあるが、結果的に一番返済額を抑えることができる可能性があるという位置づけです。
このように、早めに繰り上げ返済した方が利息軽減効果は高いことがわかるかと思います。