はじめに

“繰り上げ返済貧乏”にならないために

住宅ローン控除による税額軽減効果と利息軽減効果とをパターン毎に整理すると下記のようになります。

図2

このように、今回のケースの場合、パターン1のように、早めに繰り上げ返済をした方がローン控除の効果を加味しても効果があることがわかります。パターン4のように運用をする場合は、この利息軽減効果以上の運用効果を目指す必要があるということです。

今回は、繰り上げ返済のみを考えてのシミュレーションをしましたが、実際には住宅ローン以外にも老後や趣味など、経済的な目標があるかと思います。

ご相談者の場合は、年間100万円ずつ繰り上げ返済すると、ボーナスも含めた年間貯蓄のほとんどを返済に使ってしまう計算となります。あまり繰り上げ返済を意識し過ぎて、効果だけを考え、手元資金を少なくしてしまうと、他の目標のための資金が準備できなくなってしまったり、死亡など万が一の事が起きた時の保障としての効果も少なくなります。また、金融機関によっては、繰り上げ返済するために手数料が掛かりますので、これらも加味して考える必要があります。

住宅ローンの返済計画は、ライフプランを作成した上で、繰り上げ返済だけでなく、それ以外の貯蓄計画と合わせて検討することをおすすめします。

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