はじめに

定期預金は解約してもいいのか?

続いて、「十何年も利用し続けている定期預金を解約して損はないのか」というご質問にお答えします。

定期預金は、預け入れたタイミングで最初の金利が決まり、更新時に次の金利が決まります。3年定期を自動更新するのであれば、3年ごとに新たな金利が決まるという具合です。そう考えると、ご相談者さんが子どものころは今よりも高金利だったでしょうが、近年は超低金利で更新されていると思われます。

お母さんが積み立ててくれていたのが、郵便局の「定額貯金」だった場合には、少し話が異なります。郵便局の定額貯金は、預け入れから6ヶ月経つといつでもどこでも払い出しができるというものですが、こちらは預入時の利率が最長10年間適用されます。10年経過後は、その時の通常貯金を目安とした金利が適用されます。

現在、ご相談者さんは26歳ですから、郵便局の定額貯金だった場合、ご相談者さんが少なくとも0歳~15歳の間に預け入れた預貯金については、利率が一度は見直されていることになります。

参考までに、日本銀行のデータから、過去20年間の銀行3年定期預金の金利水準の推移を調べてグラフ化してみました。2017年以降は現在とほぼ変わらない水準ということがわかります。

グラフ1

親が積み立てた定期預金、預け替え先は?

ご相談者さんは、現在26歳独身でいらっしゃいます。住宅ローンや教育費を抱えているわけではありませんが、結婚や住宅購入などのライフイベントが10年以内に続くことも想定したい年齢です。現在の貯蓄総額は180万円、現在の投資総額は25万円ということで、合計205万円の金融資産があります。このほかに、親が積み立てた定期預金をお持ちです。

お母さんによる積み立ては、「この子の将来に役立つように」という想いで始めてくれたものでしょう。単なる資産運用というよりは、ライフイベントの変わり目で役立ててほしいお金だと思います。いずれ必要になる結婚資金や、住宅購入のタイミングで役立ててはいかがでしょうか。

預け替えるとしたら、個人向け国債変動10年か、ネット定期などが候補にあがります。個人向け国債は、変動金利でも0.05%の最低金利が保証されています。1年間は解約できない、解約時は直近2回分の税引前利子×0.79685が差し引かれる点には注意が必要ですが、100万円以上の購入で現金がもらえる証券会社がいくつもあるので、該当すればそれなりのメリットにはなるでしょう。ネット銀行の定期預金などは、キャンペーンを含めて比較してみましょう。

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