過去のケースを参考にするだけじゃダメ

長く相場の世界にいると、今回の新型コロナウィルスの件に対して、2002~2003年に中国広東省を発端として流行したSARSや、2012年にアラビア半島周辺を発端に流行したMERSがすぐに思い浮かぶかもしれません。当時の世界経済や株式市場にどのような影響があったのかなど、過去のケースを参考に考えることができます。しかし、当時と現在では並列に比較できないことも意識する必要があります。

たとえば、新型コロナウィルスが欧州経済に与える影響を考えてみましょう。先ほどは観光の観点から日本やアジア各国への影響を考えましたが、欧州においては中国からの観光客減少の影響は少ないため、注視すべきは貿易です。現在の対中輸出の対GDP比はユーロ圏、ドイツともにSARSが流行った2002~2003年に比べると、圧倒的に高くなっており、対中輸出が減少した時の影響は当時と現在では全く違います。

どれだけ長く相場にいられるかが重要

大きなニュースが流れた場合、あらゆる角度から影響度を推測していく必要がありますが、相場の世界に長くいればいるほど、「あの時はどうだったっけ?」とすぐに過去の似たケースを思い出して比較できるようになります。もちろん、相場の世界にただ長くいるだけでは意味がありません。常に考えて仮説を立てては検証を繰り返しながら経験を積むことで、思考の引き出しが増えていきます。

どれだけ学んでも未来を正確に見通すことはできない相場の世界ですが、退場せずに長くいようとするならば、徹底的なリスク管理は欠かせません。自分にとって無理のない範囲の金額で、しっかりと分散をして投資をしましょう。