はじめに

一度決めた投資方針を守れているか?

投資に絶対はないですが、適当に投資をするとかなり高い確率で痛い目を見ます。これは筆者の体験談でもあります。重要になってくるのが投資方針なのですが、相場のボラティリティ(変動率)が高まると、投資方針を守れなくなる人が増えます。

たとえば、毎月月末に給与の5%を積み立てていくという投資方針を立てたとしましょう。そうであれば、日経平均が1週間で10%近く下落しようが関係のないことなのですが、このような急落局面が来ると前述の様に積み立てをやめてしまったり、チャンスだと思って通常よりも積立投資の額を増やしたりすることが多発します。これは投資方針を守れていないのです。

絶対に投資方針を変えてはいけないということではありません。想定しない市場環境の変化が生じれば、柔軟に投資方針を変える必要はあるでしょう。しかし、ほとんどの場合は変える必要のない一時的な相場変動に過ぎないのです。

米国のアドバイザーから教わったこと。

いまから5年ほど前に筆者はボストンでFP(ファイナンシャルプランナー)やIFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)と話をする機会がありました。彼らは歴史ある事務所を経営していて、3世代に渡って顧客と付き合っていました。3世代であれば既に数十年も資産運用のパートナーとして付き合っていることになります。

米国の株式市場は、この数十年の間に何度も大きな株価の下落局面を迎えています。ITバブルの崩壊、リーマンショック、チャイナショック、欧州債務危機、VIXショックなど、数えきれないほどのイベントが起きました。

どのタイミングでも顧客が離れてしまいそうなのに、どのようにして乗り切ったのかを聞いたところ、顧客にはインデックス・ファンドを積立投資させているので、S&P500の長期チャートを見せながら、「いまは相場を見なくていい」と言い、長期投資の基本的な考え方を何度も伝えるそうです。

上図はS&P500の長期チャートですが、下落している期間もあるものの、1985年から直近までの約35年という長い目で見れば右肩上がりではあります。1週間で大きく株価が急落すると、「今日はいくら下がった」や「1週間でいくら下がった」などと短期的な見方をしがちですが、そもそも資産形成をするうえでは投資は長期が大前提になります。しっかりと基礎に立ち返り、過度に不安になるのはやめましょう。

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