はじめに

「医療保険に入っていてよかった」は勘違い?

では次に、医療保険は必要なのか?というのを考えてみましょう。

Aさんは、保険料が月額2500円の医療保険に入っています。保障内容は、入院給付金日額5000円、手術給付金5万円です。病気で1週間の入院をして、治療費の自己負担額は7万円でした。

医療保険からは3万5000円の入院給付金を受け取りました(5000円×7日間=3万5000円)。それにより治療費の負担額が半分になったのです。Aさんは、「医療保険に入っていてよかった!」と喜びました。

しかし、医療保険に支払った保険料は、月額2500円ですので、年間3万円です。どうでしょうか? なんか得した気分が消えてしまいませんか?

治療費の自己負担額の7万円というのは、ある程度の貯蓄があれば対応できるはずです。これならば、わざわざ医療保険に入る必要はありませんね。

この医療保険に20年間入っていると、支払う保険料の総額は60万円になります。このお金を病気のときの予備費に取っておく方がずっといいと思いませんか。

医療保険は、長期の入院に対応していない?

「短期の入院では、医療保険は意味がないのはわかった。でも長期入院したときには、やっぱり医療保険って必要ではありませんか?」という声が聞こえてきそうです。

そうです。長期の入院にも備える必要はありますね。でも、残念ながら医療保険というのは長期の入院には対応できません。「えっ?」と驚く人もいますが、本当です。

販売されている医療保険は、入院限度日数が60日型というのが一般的です。そして、ちょっと長めなものには120日型というのがあります。つまり、入院限度日数が60日型の場合は、連続で60日超えて入院した分の入院給付金は出ません。入院が長期化する病気というのは、一般的にどういうのもがあるのかを見ていきましょう。

統合失調症の平均入院日数は約532日、アルツハイマー病は約252日、脳血管疾患は約78日、慢性閉塞性肺疾患は、約62日、高血圧性疾患34日、悪性新生物(がん)約16日などがあります(「患者調査の概況」2017年度)。こう見ると、精神及び行動の障害以外は、長期の入院は少ないのです。