はじめに
長期の治療には「就業不能保険」が対応している
ところが入院で本当に困るのは、半年ぐらい長期入院をしたときや、そのあと退院しても働けなくなったときでしょう。
たとえば、何ヶ月も入院するようなことがあったら、退院してもすぐに仕事ができるとは限りません。ですので、本来は長期の入院や仕事ができなくなった時に備えたいのですが、医療保険を長期に設定すると保険料も高くなります。しかも、医療保険は、退院するとその後の保障はないことが多いのです。
医療保険とは別に、就業不能保険というのがあります。この保険は、働けない状態が60日や、180日続いた場合に、給料のように保険金を受け取ることができる保険です。こちらの方が長期の入院や働けなくなったときに対応できます。
医療費控除の計算は、給付金額を引く
1年間の医療費が10万円を超えると医療費控除が使えて、税金が戻ってきます。
そうは言っても10万円を超えることは、あまりないかなと思う人も多いでしょう。じつは家族全員の医療費を合算することができます。そう考えると、子どもの歯の治療費や、両親の医療費も合計すると10万円くらいになることはあります。
ところが、医療保険で受け取った給付金は医療費控除から引くことになっています。
たとえば、Bさんが入院と手術で14万円の治療費がかかったとします。家族の医療費も合算すると20万円になりました。そして、医療保険から7万円の給付金を受け取りました。
このときの医療費控除の計算は、次のようになります。20万円−7万円−10万円=3万円。
3万円が控除されます。所得税・住民税が10%ずつならば、6000円の税金が戻ります。ではもし、医療保険に入っていない場合は、給付金がないので下記の計算になります。20万円−10万円=10万円
10万円の控除になり、所得税・住民税が10%ずつならば、2万円の税金が戻ります。
どうですか? 最も売れていて人気の医療保険なのですが、じつは必要性の低い保障なのです。もし、保険の見直しを考えているときは、本当に医療保険が必要なのかを再検討してみてはいかがでしょうか。