はじめに

結婚出産にかかる費用は、助成金などを活用すれば問題なし

続いて、ご自身の結婚とご出産についてですが、「パートナーと力を合わせる」ということを意識すれば問題ないと思います。

結婚自体は、婚姻届を出せば成立します。どこまでお金をかけて結婚式や結婚指輪、新婚旅行、新居などを考えるかによりますが、ここは現実的に考えて、二人の家計でできる範囲におさえていけばよいと思います。

最低限に絞れば、それほど負担なくできるでしょう。最近では身内だけの食事会だけなどのシンプルな式にしているカップルも多くいますし、披露宴の代わりに会費制のパーティにしているところも多くあります。

また、出産費用関連についてですが、現在派遣社員で働いていると「産休や育休を取れるのかな」と不安に思われると思います。まず、法律により出産予定日の6週間前(多胎出産の場合は14週間前)から取得できるので、派遣元の会社の定めに従って事前に手続きをしてください。これは派遣先ではなく、所属している派遣会社に確認をしてみてください。

また育休についてですが、以下の条件をクリアしていると取れることが多いようです。

(1)同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
(2)子が1歳6ヵ月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと

こちらも、派遣会社に確認していただければと思います。

産休中は会社からではなく、健康保険組合から「出産手当金」として、出産日以前6週間から出産日後8週間までの間、欠勤1日について賃金の3分の2相当額が支給されます。また、健康保険、厚生年金保険といった社会保険料が免除されます。これは会社または健康保険組合への届け出が必要となります。

育休中は雇用保険から「育児休業給付金」として、休業開始時の賃金の2分の1相当額が支給されます。産休と同様に社会保険料が免除されるので合わせて事前に確認をするようにしましょう。

出産にかかる費用ですが、子ども一人の出産につき健康保険組合から42万円の出産育児一時金が出ます。また、パートナーの方のお勤め先の会社の健康保険組合からもお祝い金がでることがあるので、調べてみるとよいでしょう。帝王切開や、入院の際に個室を選択したり、無痛分娩や和痛分娩などにすると金額が上がりますが、通常の普通分娩の出産であれば42万円前後で収まることが多いです。

また、妊婦検診についても、お住いの市区町村から検診にかかる費用負担がないようにチケットという形でサポートがありますので、お住まいの市区町村に問い合わせてみるとよいでしょう。

出産は過度に赤ちゃんグッズを買いそろえたり、お祝い事にお金を使い過ぎなければ意外と助成金の中でうまく収まることがあります。

家計はオープンに、夫婦で共有を

結婚後は、お二人の家庭と、それぞれの親御さんのケアもしていくことを想定されていますね。どちらかの親と同居することができると家賃負担が減らせる可能性がありますよね。

また、ここで大事になってくるのが「家計のオープン化」です。それぞれに収入があるので「私のお金は私のもの」と線を引いていくと、力を合わせて家計を作っていくことが難しくなります。

これは、今まであまり貯蓄ができなかったパートナーのお金の管理を野放しにするのは危険だから監視した方がよいということではありません。あくまでパートナーシップとして力を合わせていくことが大事ということです。

最近は共働きの夫婦が増えています。家計を会社の経営に置き換えて考えたときに、「社長(ご主人)と副社長(奥様)がそれぞれに事業を持っていて、売上や支出がいくらだったかを共有していない。そしてトータルの資産も把握できていない」という状態に近いことがよくあります。

すでに、将来について資産や家計の概要を共有できていることは素晴らしいと思いますので、ぜひ内訳もオープンにして強い家計を作っていただければと思います。お力を合わせていけば、金銭的な課題には立ち向かえるのではないかと思います。

支出は保険料と通信費の見直しを

支出を見ると、現在の家計の改善ポイントは保険料と通信費です。保険は終身タイプの積立型保険に入っているのでしょうか。この解約返戻金はいつ払い出す予定でしょうか。保険の内容にもよりますが、満期を迎えて現金化できるようであれば、それを資産としてカウントしておいてください。

また、もしご相談者様が積立型保険に入っているのであれば解約して現金に換え、流動性の高い状態をキープされるか、確定拠出年金などの税制優遇のある制度で貯められるとよいと思います。積立型保険は投資信託などに比べて利回りがよくないので、老後の資金を考える上では確定拠出年金を考えていただけるとよいでしょう。

また通信費は、携帯電話とネット回線の費用だと思いますが、格安スマホや格安SIMを選択することで金額を抑えることができると思います。仮に8000円の携帯電話料金を3000円に減らすことができれば、5000円のプラスになります。年間で6万円、10年で60万円、30年で180万円の差が生まれますし、ご家族分となるとさらに大きな差になります。


結論ですが、支出改善は固定費から改善すると効果が長く続くので、住宅費、保険、通信費などの削減から検討してみてください。知っているだけでは効果も変化も生まれません。実践してみてください。変化の積み重ねでしか、未来は変えられません。

未来を「わからない」と悩むのではなく、まず「知ること」が大事です。「知ったことを実行すること。今できることを積み上げること」で変化が生まれ、未来が明るく開けてくると思いますので、頑張っていきましょう!

以上、ご参考になれば幸いです。

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