はじめに

無計画な住宅ローン、住み替えを視野に入れて

ご相談者様は現在、32歳でご両親と同居なされているのですね。

現在は、ご両親にも仕事があり、家族の手取り収入は70万円あるので、そこから16万円の住宅費が支払えているが、ご両親が仕事に就けなくなった場合と、ご相談者様が嫁いだ場合に現在の住宅費が払えるかということが1つ目の課題ですね。

住宅費は、教育費や老後費用と合わせて人生の中の“3大支出”にも挙げられる大きな費用です。住宅ローンを組んだときの状況がわからないですが、これは明らかに無計画な住宅ローンだと思います。金融機関は最終返済が80歳になるまで貸してくれます。「貸りられる」ということと、「返済できる」ということは違うので注意しないといけません。

この状況から対策を考えていくと、住み替えることも視野にいれて検討してただければと思います。

売却し住み替えをするなら、判断基準は「損が出ない」

3人のご兄弟も一緒に住んでいたときに、間取りの広い家が必要になり住宅ローンを組まれたのだと思います。現在、上の2人のご兄弟は既に別の家で暮らしており、現在は3人住まいですね。そして、ご相談者様が家を出ると、ご両親2人での暮らしになります。5人と2人では必要な間取りはまったく変わってきますので、売却により住み替えるということ第一に考えられたらと思います。ただし、新型コロナウイルスの影響で市況が悪くなってきていますので買い手が見つかりづらい可能性があることはご留意ください。

売却を検討される際は、複数の不動産仲介業者の相見積りを取られるとよいと思います。1社だけの情報だと、情報をコントロールされて売却価格を相場より下げて叩き売るようなことがあり得るので、初めての売却の場合は情報を集める上でも「専任媒介契約」ではなく、「一般媒介契約」で情報を集められたらいかがかと思います。その上で、動きの良い不動産仲介会社がいれば専任媒介契約を結ぶなどの方法もあります。

最終的に売却をするかどうかは、販売価格と住宅ローン残債を比較して、「損が出ない」ということを確認ください。その際、手数料なども含めて損が出ないかを確認いただけるとよいと思います。

希望価格で売れた場合は、売却価格とローン残債との差分が利益になります。そして、もし希望価格で売ることができなければ、今の家に住み続ける覚悟を持っていただければと思います。

これからも住み続けるなら「住宅ローンの見直し」を

そもそも、馴染みのある家から出るのは精神的にも負荷がかかることがあります。どうしても現在の家に住みたい場合は住宅ローンの見直しを検討ください。

民間銀行の場合、ご年齢を考えてもローンの組み直しはなかなか難しいのではないかと思います。一方、ローンの組み方を拝見すると、おそらく固定金利で借りられていて、フラット35である可能性が高いと考えられます。フラット35であれば、借り換えが70歳まで可能になるので相談されてみてはいかがでしょうか。

返済の残年数が12年で、残債が1650万円。現在の住宅費16万円の内訳を「住宅ローン返済13万円」「管理費と修繕費2万円」「固定資産税1万円(年間12万円)」と分解して見てみると、おそらく金利は2%前後ということになります。

同じくフラット35で借り換えれば、金利を1.23%前後に下げられる可能性があります。これだけで、総返済額は80万円ほど安くなりますので確認をしてみてください。通常、金融機関での金利交渉では、他社との比較を提示しないと応じてくれることは少ないのですが、フラット35の借り換えなら対応してもらえることがあるようです。

ただし、借り換えには手数料が発生します。この際「フラット35の手数料はどこも同じ」と思わないで、複数の金融機関の手数料を比べていただければと幸いです。筆者が4月時点で調べた範囲では、0.99%~2.2%%まで差がありました。

1650万円の借り換えにおいては、手数料が16.3万~36.3万円ということになるので、20万円も差が出ますね。安い手数料で借り換えられれば、80万円から16.3万円を差し引いた、63.7万円が浮くことになります。その他の手数料や印紙代などが発生する場合もあるので、金融機関に相談してみてください。

それでも足りない分は、ご兄弟が育ててもらった家ということを胸に、力を合わせて住宅ローンの返済に取り組んでいただければと思います。ただし、将来的に親御様が亡くなられ、売却して資産分割する場合に、住宅ローンの負担が異なっていると分配で揉めることになりかねないので慎重に相談して決めてください。