はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、株式投資を始めたがなかなか利益が出ないという40代公務員の方。投資の戦略を変えたほうがいいのか悩んでいますが……。FPの伊藤亮太氏がお答えします。

最近、株を始めましたが、なかなか利益が出ません。放置したままの投資信託のほうが利益が出ている状態です。株は、優待と配当だけを目的に長期保有することにして、キャピタルゲインを狙わない方針に変えたほうがいいのでしょうか。それとも株は売却して、それを原資に投資信託を買い増ししたほうがいいのでしょうか?アドバイスよろしくお願いします。

<相談者プロフィール>
・男性、42歳、既婚(妻:40歳、専業主婦)
・子ども2人:11歳、7歳
・職業:公務員
・居住形態:賃貸
・毎月の世帯の手取り金額:35万円
・年間の世帯の手取りボーナス額:150万円
・毎月の世帯の支出目安:25万円

【支出の内訳(25万円)】
・住居費:6万円
・食費:3万円
・水道光熱費:2万円
・教育費:3万円
・保険料:4万円
・通信費:1万円
・車両費:1万円
・お小遣い:4万円
・その他:1万円

【資産状況】
・毎月の貯蓄額:10万円
・ボーナスからの貯蓄額:30万円
・現在の貯蓄総額:500万円
・現在の投資総額:300万円
(株式:100万円、投資信託:200万円)
・現在の負債総額:なし

伊藤: ファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太です。相談者の場合、最近株式投資を始めたということで、おそらくコロナショックの影響を大きく受けているのかもしれません。銘柄によっては、半分以下になっているケースもあるかもしれません。まずは、その銘柄を買われた理由を振り返ってみましょう。

仮に、中長期投資を前提としているのであれば、その銘柄が今後期待できるのかどうかの確認が必要です。コロナ問題が終息に向かうのであれば、その企業の売上はどうなりそうなのか? ある程度現金を保有する会社なのかどうかチェックしてください。終息後にその企業の業績も回復に向かうのであれば、そのまま保有するか、追加で購入して単価をならして(平均化して)いくのが無難かもしれません。

状況が厳しい場合はどうするべき?

一方で、なかなか厳しい状況にあるということであれば、売却して他の銘柄に乗り換えるか、日経平均連動型の投資信託などにより運用していく方が無難といえます。

現状では、放置している投資信託の方が利益を得ているとのことですが、これも果たして中長期的に見て利益の確保につなげられるかどうかは、今後の景気次第となります。まず目標を確認してください。仮に20年先にいくら確保したいといった希望であれば、コツコツ毎月購入し単価をならして目標に到達するよう管理していく必要があります。この場合は、下がろうが上がろうが気にせず、ひたすら20年後など目標へ向けて運用を行い、目標金額に到達してからは売却も視野に入れていきます。

株式と投資信託の比率は今のままでよいでしょうか? 仮によしとするならば、両方ともコツコツ購入していくべきでしょう。株を売却するかどうかは、今後の展開次第です。かといって株式を売却し投資信託を買ったとしても、景気が悪化すれば意味がありません。そのため、例えばですが投資信託において、景気が悪化した場合でも対応可能なように、金投資の投資信託を購入していくなど検討していくべきです。

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