はじめに

「他人の目」がない一人暮らしの対処法

――独身など「他人の目」がない人は、どう注意すれば? 自制心だけでは、解決できそうにありません。

その通りです。そのため、実のところ、医師としてはオンライン飲み会は、あまりお勧めできない、少なくとも細心の注意を払って行ってほしいと思います。一方で、1日のどこかの時間に、仲の良い友達とまさにオンラインで少しコミュニケーションをする。そういう時間を作るのは非常にいいことです。その時間を軸にして、自分なりのスケジュールや生活リズムを作る。

話すときは、お互いに生活をチェックし合うというよりは「こんな風に今日は過ごしたよ」とお互いに励まし合う。自粛が解除された時にスムーズに元の社会生活に戻れるように、 「健康状態や生活リズムを維持していこうね」と、お互いを元気づけることが必要だと思います。

――それは、とても心に効きそうです。友達の力を借りる。

この状況は、いわば突然訪れた長い夏休みとか春休みみたいなもの。どうやって過ごしたらいいか、実はみんなよくわからない。若者であれば、「いっそのこと、いつもはできないことをやろう!」と思いっきり飲んでみたりしがちです。楽しくてウキウキしたり、好奇心で飲んでしまうのは、通常であれば、そのうち、飽きてやめる。長続きはしません。

ただ、これに端を発して、その後、ダラダラと飲酒が習慣化していくようなら、背景に先の見えない不安やストレスがあると考えられます。自分の不安な気持ちを覆い隠すためについ飲んでしまう。ですから、素面のときに、ソーシャルメディアを使って、そうした不安を友達に話すというのは、飲みすぎを事前に防ぐ対処法として非常に有効です。アルコール依存症の克服に、グループワークをする自助会の力が欠かせないのと同じです。

社会人であれば、仕事が忙しくてスキルアップのために勉強する時間が取れなかったから、「こういうときこそ、勉強を!」と思うかもしれません。でも、世界中で仕事が止まっている状態で、ライバルたちもみんな、お休み。「今ここで出し抜くぞ」という気持ちに、実際はなかなかなれないでしょう。

何もしない手持ちぶさたの時間が続くと、つい食べたり飲んだり。冷蔵庫にお酒があれば、気分を上げるために、お茶代りにお酒を飲んでしまいやすい。「たまたま冷蔵庫に入っていたのが、お酒」にならないよう、あらかじめ、お茶やノンアルコール飲料を用意しておくのも、飲酒を防ぐ対処法のひとつです。人によっては、炭酸水のような、ソフトな刺激のある飲料でもいいかもしれません。