はじめに
マンションを購入したほうがいい人、しないほうがいい人
マンションを買うべきかどうかについては非常に悩ましいところです。家を購入する場合は、以下のポイントを押さえる必要があります。
・家族構成が変わらない
・仕事で転勤がなく、住む場所や生活範囲が変わらない
・収入が将来にわたり継続し安定している
現在34歳とのことですが、今後家族構成が変わる可能性もあるでしょうし、仮に来年30年ローンで新築マンションを購入したとしても、ローン完済時には65歳になっており、その時点で築30年のマンションに住んでいることになります。ということは、毎月支払う修繕積立金だけでなく、水回りやフローリング、エアコンなどの大型修繕費用がかかることが想定されます。毎月の修繕積立金もマンションが老朽化すれば高くなり、新築時0.8万円だったものが30年後には2万円になっていたなどということはよくありますので、注意が必要です。
老後に家賃がかかるのが嫌で、マンションを所有していたいという独身の方は多くいらっしゃいます。しかし、購入しても管理費や、修繕費、大型修繕費、固定資産税などの費用は発生していくので、生涯でかかる住宅費は、購入でも賃貸でもそれほど変わらないと言われています。賃貸のほうが、住み替えによって新しい家に住み続けられる可能性もあります。また、老後はより地方に住むことで費用を抑えられるかもしれません。将来の展望が決まっていて、どうしても「自分の城がほしい」という強い希望がなければ、購入しないでフレキシブルな状態でいることも良いかもしれません。
それでも家が欲しいなら避けたほうがいいこと
それでも「自分の家が欲しい!」という場合は、住宅ローンの毎月の支払い額は手取り月収の30%以下の基準に考えていただけると良いと思います。できれば収入の25%程度を目指したいところです。
また、住宅ローンは頭金無しのフルローンで借りられることもありますが、購入価格の1割ほどを頭金として入れると審査が通りやすくなるようです。ただし、現在は低金利の時代。頭金に入れるのは最低限にして、借りられるだけ借りたほうが良いかもしれません。住宅購入には、頭金以外にも仲介手数料や住宅ローンの手数料、引っ越し費用などの現金が必要になります。現在730万円ほど資産をお持ちですが、人生何があるかわかりませんので、手元に現金がある状態はどんな時も意識して「キャッシュイズキング」と考えていたほうが良いと思います。
住宅ローンで破綻する多くの理由が、「ボーナス払い」をしているケースです。不景気になるとボーナスが真っ先にカットされるので住宅ローンが払えなくなり住宅ローン破産をすることがあります。住宅ローンの返済が滞ると、まずは金融機関からの優遇金利がなくなるので返済金額が増えます。それでも支払いができない場合は住宅の差し押さえになります。
住宅ローンを組まれる場合は、ボーナス払いを選択しないことをお勧めします。
2020年5月現在、ジャパンネット銀行の変動金利は0.399%。SBIマネープラザは変動金利0.410%、au自分銀行も0.410%と、利息が非常に安くなっています。この点では住宅ローンを組むには有利になってはいますが、一方、年々変化が激しい世界になってもいます。変化はコロナ禍明け後もさらに激しくなっていき、人生において予想外のことも増えてくるのではないかと思います。住宅を買うのは決して悪いことではないのですが、人生を変えるような変化が起こった場合に対応しづらくなるというリスクをはらんでいるので慎重に考えていただければと思います。
「単身女性向け」の悪徳マネーセミナーには注意して!
旅行や買い物など、自分の欲しい物にお金を使うことは決して悪いことではないので、まずは、固定費を減らして「自然とお金が貯まる」ようコントロール力を高め、じっくりと将来の展望を考えていただければ幸いです。
最後に、「単身女性向けのマネーセミナー」には注意してください。良心的でないマネーセミナーなどでは老後不安を煽ったあげく、「老後に向けて、貯蓄保険は外貨建の変額保険がおすすめ」「賃貸で家賃を払うのはばからしい。不動産投資を視野にマンションを購入して、借り手がいなければ自分が住めば良い」「女性のがんは若いうちから不安なので女性系の特約を付けるべき」など、情報格差を利用して固定費を倍増させられてしまっている方もいるので、知識を付けることで騙されないように気をつけていただければと思います。また、お金は、新たな学びを得られるようなことや、自分の市場価値を育てるという視点で使っていただければとも思います。
以上、参考にしていただくことができれば幸いです。