はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、夫のお金使いの荒さに悩む38歳専業主婦の女性。高収入なのに、ギャンブルなどにお金を使ってしまい、貯金もできず、ボーナスで補填する生活。一生懸命働いてくれるので文句は言いにくいと言いますが…。家計再生コンサルタントの横山光昭氏が運営する『マイエフピー』のFPがお答えします。

夫の収入は高いはずなのに、毎月なんだかんだと支出してしまい、お金が残りません。

問題なのは、家計にお金が残らず、貯まらないことだけではありません。夫の小遣いが足りないらしく、クレジットカードでやりくりしているのです。小遣いの使い道は飲み会や競馬、パチンコなどで、時々買い物もしています。複数枚を使っており、利用残高は160万円ほどになるようですが、一生懸命働き、稼いできてくれるので、私からは文句が言いにくいです。

赤字になる月もあるのですが、ボーナスが出るとまかなえてしまうことが多く、今ある蓄えのほとんどが、ボーナスの残りがなんとなく残っているものです。

息子(11歳)は来年6年生で、本人の希望で中学校受験をさせたいと思っています。ですが、今のままでは学費などの負担が心配ですし、受験は諦めてもらい公立中学校に行ってもらったほうが良いのかなと考えたりします。

夫の同僚は、今年お子さんが私立中学に入学した時に、入学金や前期分の授業料を当たり前のように一括で支払っていたそうです。同じような収入、家族構成なのに、我が家のことを思うと恥ずかしくてなりません。いつもギリギリな暮らし方を改善できるよう、どのようにしていくと良いのか、お教えてください。

<相談者プロフィール>
・女性、38歳、既婚
・職業:専業主婦
・同居の家族:夫、39歳、IT系会社員
・子ども:1人(11歳、小学5年生)
・毎月の手取り金額:62.1万円
・年間の手取りボーナス額:80〜200万円(業績により毎年大きな変動がある)
・貯金総額:180万円(かき集めた金額)
・クレジットカード利用残高:4社から160万円

<支出状況(総支出額:63.4万円)>
・住居費:11.3万円
・食費:9.3万円
・水道光熱費:2.8万円
・通信費:2.5万円
・生命保険料:4.1万円
・教育費:7.3万円
・被服費:2.8万円
・交際費:3.2万円
・娯楽費:4.6万円
・小遣い:8万円(夫のみ)
・嗜好品:1.2万円
・その他:6.3万円

FP: 収入が高いのに貯金ができない、増えないというご家庭は結構多いものです。なまじ収入があるため、必要のない支出も「払えるから」というだけで支払いがちですし、お金の使い方に軸が見受けられないところが特徴です。相談者さんのご家庭の場合はどのような状況で、どう改善すべきか、考えてみましょう。

ボーナスをあてにしない家計づくりを

当たり前のことですが、お金を貯めるには収入の中で支出を収めなくてはいけません。ボーナスから貯めるというやり方もありますが、相談者さんのご主人のように、その年によって金額が大きく異なる状況ですと、業績によっては支給されない年があっても不思議はありません。ですから、ボーナスはあてにせず、出たらラッキーという程度にとどめ、毎月の支出をしっかりと見直していきましょう。

相談者さんは親子3人暮らしですが、支出は全体的に多めです。食費、通信費、生命保険料、被服費、交際費、娯楽費など、全体的に支出の仕方を改めて見直してみてください。見直しのポイントは、必要な支出だったか、今でなくてもよい支出だったのかという視点で振り返ってみると良いでしょう。

支出を一つずつ見ると、不要な支出が多いことに気がつくはずです。気がつくことができれば、次の買い物や支払いの時に、そういった支出を減らすようにしていくと良いでしょう。

また、契約そのものを見直すことも効果的です。一度見直して支出額が下がると、その効果は自然と長期間続きます。無理をしないで支出を下げられますので、通信費や生命保険など、現状に必要な契約内容になっているかを見直してみましょう。

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