はじめに

新型コロナウイルスの影響で世界的に株価が暴落しましたが、足元はどんどん値を戻しています。一時は1万6,000円台まで下落した日経平均も5月27日時点で2万1,419円まで回復しました。

株価回復の要因は先進各国で新型コロナウイルスの感染者がピークアウトし、徐々に収束への道筋が見えてきたことはもちろん、各国政府および中央銀行が史上最大規模の財政出動や金融緩和を行ったことが大きく影響していると考えられます。これらの財政金融政策が景気を早期に回復させるのではという期待に加えて、行き場を求めたマネーが株式市場に流れ込んでいるのでしょう。

さて読者の投資家の皆様は、今回の株価暴落またその後の株価反発を受け、どのように行動されたでしょうか?うまく成果を出せた方も残念ながらそうではない方も、ほかの投資家がどのように行動したのか気になりませんか?今回のコラムでは、あの伝説の投資家がどう行動したのかをご紹介します。


「航空株への投資は間違いだった」

伝説の投資家とはもちろん、あのウォーレン・バフェット氏です。バフェット氏は新型コロナウイルスの影響でマーケットが調整を始めていた2月25日にCNBCのインタビューに「私の疑問は、10年後・20年後の米国のビジネスの見通しはこの24時間・48時間の間に変わったのか、ということです。」と寄せ、株式市場に強気な姿勢を見せていました。

ところがいかに「投資の神様」と言えど、今回の急落にはうまく対処しきれなかったことが明らかとなります。保有株の値下がりの影響で1〜3月期の決算のバークシャー・ハサウェイの最終損益は497億ドル(5兆円以上)の損失となりました。

さすがのバフェット氏も今回の暴落の影響を免れることはできなかったのです。ではバフェット氏そしてバークシャーはどのように行動したのでしょうか?

バフェット氏率いる投資会社のバークシャー・ハサウェイが5月に公表した資料で、バークシャーが保有していた4つの航空会社の株式をすべて売却したことが判明しました。それはデルタ航空、アメリカン航空、サウスウエスト航空、ユナイテッド航空の4社です。

昔バフェット氏は航空会社について構造的に利益が出づらい事業だとして、ネガティブに評価していたことが知られています。しかし、この数年間は判断を変え各航空会社の保有を少しずつ増やしてきました。

ところがコロナ問題のために世界各国で都市封鎖や、外国からの入国停止措置が実行されているのを受け、「航空会社に対する需要が干上がっている」として保有株をすべて売却したのです。

バフェット氏でも新型コロナ感染拡大によって世界で起こった現象については、全く予想外だったということでしょう。バフェット氏は率直に「航空株への投資は間違いだった」と認めています。

<写真:ロイター/アフロ>