はじめに

ローンの基礎知識と繰り上げ返済の注意点

上記が、相談者さまからの相談をみて、ファイナンシャルプランナーとして思うことですが、以下はローンの基礎知識としてご確認ください。

・奨学金
奨学金は、住宅ローンと並んで金利が最安のローンの一つです。相談者さまが22歳で返済開始したとすると、現在8年目。残り10年間返済ということは、2万3000円×18年=496万円を金利込みで借りていることになるでしょうか。奨学金は、利息の発生しない第一種と、利子が発生する第二種にわかれます。第二種の場合、利率固定方式か、利率見直し方式かによって金利が異なります。現在の金利がいくらなのかは、借りられている奨学金もとに確認されるとよいと思いますが、利率見直し方式であれば、利率0.2〜0.003%など非常に低金利だと想定されます。

・マイカーローン
一般的に、カーディーラーで勧められる提携ローンは、信販会社と組んでいることが多く、金利が3%前後と高いことが多いです。銀行系のマイカーローンは1〜2%程度のものがあり、比較的に安いことが多いと思います。1%前後で借りられているのであれば、それほど利子が高くならないので、無理な繰り上げ返済はする必要が無いと思います。逆に3%前後の金利が付くようであれば、現金に余裕があれば繰り上げも視野に入れて良いでしょう。

ただし、残りの返済期間がそれほどない場合、繰り上げ返済しても旨味はそれほどないので、早期に返済する場合に有効といえます。また、繰り上げ返済をした場合に、3000円〜3万円ほどの手数料が請求される場合があります。するとかえって支払総額が増えかねないので、契約内容にしっかり目を通しておくことが重要です。

繰り上げ返済は金利の高いほうを優先して

以上、繰り上げ返済を検討する上では、金利が何%なのかや、契約内容をしっかりと把握することが重要になります。仮にマイカーローンは3%、奨学金は0.003%で借りられているのであれば、圧倒的にマイカーローンを先に返済すべきとなりますし、マイカーローンを1%で借りていて、奨学金の利率が固定で1.2%であれば奨学金の返済に繰り上げたほうが良くなります。

ただし、繰り上げ返済をした結果、現金がなくなり、借り入れが必要になった結果キャッシングすることになれば、3%以上の金利でないと借りられないことのほうが多くなると思うので、「これからいくら現金が必要か?」をしっかりと考えていただければと思います。

以上、参考になれば幸いです。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

この記事の感想を教えてください。