はじめに
50代で家を買うなら押さえたいこと
家を購入したとしても、上記の老後資金を準備できるかどうかですが、ひとまず、家を購入する前提で返済計画を考えていきます。
50代で家を購入するとなると、長い期間のローンは組めないということもありますが、少なくとも定年退職を迎える65歳までにはローンを返済したいところです。
現在家計の収支状況はトントン。家賃は10万円とのことですから、10万円以上のローンを組んでしまうと途端に家計は厳しくなります。
気をつけなければならないのは、毎月の返済額が今の家賃と同額になるような住宅ローンを組んでしまうこと。なぜなら、家を購入すると維持費がかかるからです。一戸建てなので、マンションと違い、管理費・修繕積立金はかかりませんが、一戸建ての場合には、マンションの敷地権の評価に比べて、土地による評価部分が大きいので、その分だけ固定資産税などの負担が重くなる可能性があります。
不具合が発生したときの修繕費もかかりますので、この費用も見込んでおく必要があります。ざっくりですが、維持費のコストとして月割りにして2万円〜3万円程度上乗せすると、毎月の返済額は7万円から8万円に抑えたいところです。
ただし、相談者さんは、現在車を所有しており、駐車場代がかかっています。一戸建てを購入することで駐車場代の負担が減るケースが多いので、その分を考慮すると、現在と同じ家賃程度のローン返済でも許容範囲といるでしょう。
無理のない資金計画は?
では、資金計画ですが、購入希望物件価格が3500万円程度とのこと。仮に頭金を1500万円として、2000万円のローンを65歳までの14年間、金利1%で借りる場合を見てみましょう。そうすると、毎月の返済額は、約12万7000円となります。これでは家計が圧迫されますね。
では、頭金を2000万円として、1500万円のローンを65歳までの14年間、金利1%で借りる場合を見てみましょう。そうすると、毎月の返済額は、約9万5000円となります。こちらは、許容範囲といえるでしょう。ちなみに、今後は、しばらく経済状況が不安定な時期が続くと思いますので、ボーナス併用払いはおすすめしません。
この他諸費用として、通常、新築物件の場合は物件価格の5%程度、中古物件なら10%程度がかかります。
つまり、住宅を購入する費用として、頭金2000万円と諸費用200〜300万円程度を現在の貯蓄から拠出すると、貯蓄の残高は1000万円程度になります。
今後、今回のコロナのように世界経済を揺るがすような危機が襲ってきたり、自分自身が病気になって働けなくなったりといったリスクを考えると、1000万円程度、手元に残しておくと安心ですね。