はじめに

ボーナスを貯められれば見通しは明るい

先ほど、老後資金として、65歳までに3000万円程度を見積もりましたが、住宅資金で2500万円程度使ってしまうとなると、残りの14年間で2000万円程度貯める必要があります。加えて、お子さんの教育資金も考えなければなりません。

現在は単身赴任とのことなので、生活費が余計にかかると思いますが、幸いなことに年間の手取りボーナスが150万円あり、その金額を全て貯蓄できているので、このペースは保ちたいところです。60歳を過ぎて再雇用になると、給与形態が変わる可能性が高いので、60歳までの9年間は、ボーナスをしっかりと貯めていきましょう。

仮に今の給与が60歳まで続き年間150万円を9年間貯めることができれば、1350万円貯まります。退職金の状況が把握できていないのでなんともいえませんが、退職金が1000万円から1500万円程度出るなら老後資金は確保できそうですね。

もし、ボーナスが減額されたり、支給されなかったりといった事態が起きると、現在の家計からでは、貯蓄が難しいので、物件価格を下げる、購入しないなど、プランを練り直す必要がありますね。

計画的な貯蓄と妻の収入アップの検討を!

また、奥様も今は働けない事情があるかもしれませんが、働くことも検討してみると良いのではないでしょうか。お子さんの教育プランがわからないのでなんともいえませんが、特に私立を希望せず、公立の学校を希望するのであれば、毎月の家計費から3〜4万円を捻出できれば大丈夫でしょう。大学だけ私立というパターンも多いですが、私立大学に行く場合には、18歳までに300〜500万円は準備したいところです。

仮に毎月奥様が5万円程度の収入あれば、奥様の収入でお子さんの教育費をカバーできますし、10万円程度の収入があれば、さらに、収入の一部でつみたてNISAなどの運用にチャレンジすることで家計に余裕が生まれます。

奥様は現在46歳とのことですが、仮にお子さんが中学生になる13歳から働き出したとしてもまだ49歳です。仮に49歳から65歳まで毎月3万円を3%の投資商品で運用した場合には、積立元本576万円に対して、約738万円になります。十分、老後資金などに役立つ金額です。

今回のご相談者さんは、まとまった貯蓄があったことが住宅購入の可能性を高めたと思います。また、奥様が働いたり、運用を一部取り入られたりすることで、家計の余力が生まれる可能性もあります。

とはいえ、詳細な事情がわからない部分もあり、アドバイスの前提が崩れた場合には、物件価格を下げたり、奥様がもっと早い時期から働いたりといった調整が必要になるでしょう。今回は、一般的なアドバイスになっているところもありますが、参考にしていただけたら嬉しいです。

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