はじめに
私はフリーランスであることにはけっこう否定的です。時々若者から会社を辞めてフリーランスになりたい、という相談をされますが、その時に伝えるのは私の年金の額です。定年まで会社員を続けた場合、夫婦で22万円もらえる、みたいな試算があるじゃないですか。これって年収264万円に相当します。贅沢をしなければ貯金と合わせてそこそこの生活ができそうです。
この額の中でデカいのが所属企業が一定額を払ってくれる厚生年金です。国民年金だと年間78万円ほどです。私の場合は4年間のサラリーマン時代があるので厚生年金はもらえます。しかし、額を見てみたところ、年間14万円でした。これを合わせると年収は92万円になります。
昨年、「老後2000万円足りない」という試算がありましたが、あれはあくまでも厚生年金と国民年金両方を満額もらうモデル家庭を基準にしているだけ。厚生年金がない、あるいは少ないフリーランスにはまったく当てはまらない試算なのです。
こうした現実を話すと「今の方がいいかな…」と会社員を続ける決意をする方もいます。もちろん人生の選択は自由なのですが、より「社畜」化することと老後の不安を考えるとフリーランスはバラ色とは到底思えません。