はじめに

老後の公的年金収入はいくらか

全国平均データによると、65歳以降の厚生年金受給者の年金額は、男性が17万2742円、女性が10万8756円です。

現在老齢年金を受給している65歳以上の世代では、配偶者の被扶養者として専業主婦をしていた期間が長い女性も多く含まれるため、厚生年金受給額に男女差が出ていると思われます。男女の数字を足すと、厚生年金を受給中の夫婦の平均的な年金月額が計算できます。
17万2742円+10万8756円=28万1498円

ご相談者さんご夫婦の年金額は試算していませんが、現在のご夫婦の年収や今後の希望を見る限り、全国平均の金額よりもご相談者さん夫婦の年金額が上回ると思われます。年金額を知りたい場合には、日本年金機構の「ねんきんネット」を使って、一度シミュレーションをすることをお勧めします。

いずれにしても、年金額が全国平均程度の28万円として、そこから税金や社会保険料を差し引いても、ご相談者さんの生活費はほぼ年金の範囲内で収まると考えられそうです。

老後資金はいらない!?

しっかりと働き、浪費をせず、とても堅実な家計を築いているご相談者さんご夫婦ですが、老後はとても経済的な余裕がありそうです。毎月の年金から家賃も含んだ生活費が賄えれば、備えておきたい老後資金は、病気や介護への備えと老後の楽しみのお金です。

お子さんやマイホームの予定がないので、子どもの教育費や結婚援助資金、お孫さんへのイベント費用は必要ありませんし、リフォーム費用なども不要です。

そのため、とてもお金を貯めやすい状況にありますが、老後資金を貯めて長生きしても、お金を使えずに終わる可能性があります。お子さんやお孫さんへの相続もないと、使いきれなかったお金は国庫に納めることになります。

ご相談者さんご夫婦はまだ31歳。節約のペースを少し緩めて、目先の楽しみにもっとお金を使っていくか、貯めたお金を使う先を考えてみてもいいでしょう。

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