はじめに

PCR検査ではなく抗原検査とは

マスクにガウン、ゴーグル、手袋を身に着けた医師が、ビニールシートの中に入ってきました。長い綿棒を私の鼻の穴に入れて、粘膜を採取します。大変なリスクのある仕事で、検査を受けながらも頭が下がる思いでした。

私が受けた「抗原検査」は、鼻の粘膜や唾液を採取し、新型コロナウイルスのタンパク質から感染を調べるもの。ウイルスの遺伝子を調べるPCR検査に比べると、多くのウイルス量が必要ですが、私のように症状が出ている状態では、検査精度は変わらないということでした。

抗原検査は、およそ30分で結果が出ます。一方で、PCR検査の場合、結果が通知されるまで数日かかる場合があります。その間は陽性疑いとなり、同居家族も含め、基本的に外出はできません。抗原検査のメリットは大きいと感じました。


書類の受け渡しなどはこの部分から行う

「どうしよう」という言葉しか出ない30分間

検体の採取が終わると、「トイレに行くときは、周りを触らないで」と、部屋に一人取り残されました。なぜか電気も消えてしまい、薄暗い部屋の中で、「陽性だったらどうしよう」という思いが駆け巡ります。

私が陽性だったら、きっと子供にも感染しているでしょう。0歳児を危険にさらしてしまったことに胸が押しつぶされそうになります。もし重症化してしまったら、もし保育園の他の園児にもうつしていたら…。

それに、在宅勤務とはいえ、社員にコロナ陽性者が出たことで、会社にどんな影響があるだろうか。10日も入院したら仕事はどうなるのか。

患者が特定され、差別的な扱いを受けたなどのニュースも見聞きします。私も子供も、職場や保育園でそういう扱いを受けるのだろうかと恐ろしくなりました。