はじめに

幸いにも陰性

数十分後、部屋に戻った医師は、パソコン画面に向かいながら、「陰性です。安心してください」と伝えてくれました。よかった、本当によかった。明日からもいつも通りに暮らせる。安堵の気持ちから涙が出そうになりました。

「でも、検査は絶対ではないし、コロナじゃなければ他の病気の可能性もありますから、気を付けてくださいね」という優しい言葉がもかけてもらいました。

お会計は2000円弱。思っていたより安価でした。看護師からも「少しは安心ですね。お子さんがいらしたら心配でしたよね」と言われ、心が軽くなって病院を後にしました。

コロナ患者への差別も懸念

都内では今、再び新型コロナウイルス陽性者が激増しています。患者は、身体的なつらさだけでなく、家族と離れて隔離生活を過ごさないといけないという大きな負担を強いられます。小さな子どもや介護が必要な高齢者を抱えている家庭では、大きな問題です。

それだけでなく、インターネット上には「陰性になったのに入店を拒否された」「暴言を吐かれた」などという、陽性者が嫌がらせを受けたという書き込みが後を立ちません。感染症の歴史の中で繰り返されてきたこととはいえ、患者への差別や嫌がらせはあってはならないことです。

どんなに注意をしても、誰もが感染する可能性のあるウイルスです。一人ひとりが冷静に対応するとともに、患者が安心して治療に専念できる体制を整えられ、このウイルスを克服できる社会になってほしい、と強く思いました。

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