はじめに

ボロボロの物件、業者にも逃げられ……それでも成功した理由

――次の物件を購入したのはいつ頃ですか?

1年後の2004年です。650万円のワンルームを「ヤフオク!」で見つけました(笑)。ただ、物件を見にいくとボロボロで……。天井は穴が開き、壁紙も剥がれて、漏水したような跡も。水道の配管は来ていましたが、風呂・トイレなども付いていません。

ボロ物件購入時の物件の様子

――すごい物件ですね……。それを買ったんですか? 

はい。僕がこの物件に魅力を感じた理由は、東急東横線・反町駅から徒歩5分以内の立地です。学生時代、東横線沿線に住んでいたので、ブランド力はよくわかっていました。

天井には穴が

とはいえ、いくら東横線沿いでも、この物件を650万円で買って、さらに数百万もかけてリフォームするのはあり得ませんでした。そこで、値切りに値切ったのです。

――成功したのですか?

はい。最終的に250万円になりました。というのも、実はこの部屋、売主である不動産会社が同じ建物の5階の部屋とセットで仕入れており、そちらはすでに売却。大きな利益が出ていました。つ まり、5階の部屋が本命物件で、こちらはそこまで重要ではなかった。とにかく売り切りたい様子だったので、250万円でもOKしてくれました。

――それでも、この部屋の状況だと買うのは勇気がいりますが……

わかります(笑)。ただ、250万円なら「失敗しても人生終わらない」と思いました。車一台買って全損したと思えば勝負できます(笑)。これは持論ですが、20代の資金が少ないときに数%の利回りでコツコツ投資してもメリットは出にくい。1億円ほどの資産を運用するならメリットも出ると思うのですが。むしろまだお金のない若いときは、ある程度リスクをかけて勝負しないとリターンも小さい。それで自分のお金をかき集めました。さらに、初めての融資も受けました。かかった費用は、物件購入費250万円とリフォーム代150万円でした。

――リフォーム後は、どんな部屋になったのですか。

写真が残っていますが、だいぶ綺麗になりました。
リフォームをすることで、新築同様の設備に変身

内装は、風呂やトイレなど、すべて新装。建物は古いものの、中は新築と同じです。ただ、トラブルもありました。実は途中でリフォーム業者が来なくなり……。経営が悪化して、逃げられてしまったんです。

――なんと……。どうしたのですか。

60万円をその業者に前払いしていたので、残りの金額でリフォームを完成させるしかありません。いろいろ考えて、2つの秘策を用意しました。

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