はじめに
高値更新を見据えて買う戦略もアリ
――株式相場の今後はどう見ていますか。
不動産よりも予測が難しいですね。
とくに本業を持つ兼業投資家の場合はこの状況を理解するのに苦労すると思います。足元では会社の業績が伸び悩み、むしろ減収減益に向かっているところが多い一方で、株価はほぼコロナ前の水準まで戻っているわけですからね。
――こういう相場ではどんな戦略が考えられますか。
兼業投資家の場合、基本はバリュー株や優待銘柄狙いでしょうね。周りの投資家を見ると、飲食系の優待銘柄を持っている人が多いせいか「戻りが悪い」という話を聞きますが、優待狙いの投資家が多いオリエンタルランド、カゴメなどが優待を廃止するとは思えないので、キャピタルゲインは取れないにしても、火傷はしないのではないかなと思います。
利回り狙いならインフラファンドなどは下がれば7、8%になるので、そういう銘柄は狙い目かもしれません。
手垢がついていない直近のIPO(新規公開)も高値をとっている銘柄が多いので、初値買い、新高値での買い、少し下がったところで思い切って買う戦略もあると思います。
基本的には地合いが良いので、リートのPO(公募増資)の応募もありですね。もちろん、相場の見通しが悪いのでそれほど長くは持てないと思いますが。
――買えそうな銘柄なら買っても良さそうですか。
もしかしたらですが、大胆な経済政策や大幅減税などがあって、日経平均株価が26,000円とか27,000円の水準まで上がるかもしれません。そういう可能性がゼロではないと考えると、機会損失を避けるという意味で、少しくらい買っておくのも良いかなと思います。
ただ、分散も考えた方が良いと思います。投資家は神ではないので株価の天底を当てることはできません。明確なバブル相場なら大きく買ってもいいのですが、不透明な時はエントリーもエグジットもタイミングを分ける時間分散を考えたいですよね。
積み立て式で買っていくのも分散になるので、例えば、米国株を機械的に買っていく方法なども良いと思います。