はじめに

年金受給とこれからの生活を見据えよう

相談者さんは64歳から特別支給の老齢厚生年金を受給できます。これは現役時の収入により受給額が異なるものですが、大学卒業後からずっと厚生年金に加入して働いてきたのなら、おおよそ10万円前後になると思います。65歳になるまでの1年間、毎月収入が10万円増えることになります。

65歳で年金受給が始まると、奥さんが65歳になるまでの間、加給年金が受給できます。月にして3万円ほどです。相談者さん一人の老齢基礎年金、厚生年金の受給額が16万円ほどとするなら、加給年金も加えて19万円ほど受給できるようになります。

早めに家計を見直し、支出を当初予定の23万円まで下げることができたら、相談者さんが64歳の時は貯金ができ、65歳には老後資金からの補てんを4万円に抑えられるという計算です。失った200万円を取り戻すことはできませんが、半分ほどはこれらの年金で相殺できそうです。

節約しても人生の楽しみを忘れずに

そのためにも支出の見直しは前述のように頑張っていただきたいのですが、1つ気を付けてほしいことがあります。節約のためと言って我慢しすぎる暮らしには、しないでください。楽しみたいこと、優先したい支出には、お金を使いましょう。さして大切ではない、必要ではない支出を控えればよいのですから、必要なし支出まで無理に下げる必要はないのです。

また、老後期間は人生を楽しむ期間とも言えます。今までやりたくてもできなかったことなどに取り組む良いチャンスの期間です。収入と支出のバランスを見ながら取り組むのであれば、問題ありません。

時々これから先に必要なお金について計算しながら、支出にメリハリをつけて、たくさんのお金がなくても充実した人生が送れるようにしていきましょう。また、将来の見通しをつけるために、ライフプラン表を作ってみることも良いと思います。簡易的なものはインターネットでできると思いますし、ファイナンシャル・プランナーに相談すると対応してもらえることが多いと思います。

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