はじめに

以前つけていた家計簿と比べ、支出を下げる

今回のご相談で、支出状況を大まかに書き出しました。その支出額と、以前奥さんが付けていた家計簿とでは、どのような違いがあるでしょうか。支出が増えているところがあれば、その費目の支出の仕方をまず、振り返ってみましょう。

定年時には退職金をはじめ、今まで積み立てていたものの金額が急に見え、お金がたくさんあるように錯覚してしまうことがあります。長い年月を掛けて消費していくお金なのに、いつまでも無くならないような気持ちになることもあるようです。その為、いままで頑張ってきたから、我慢してきたから、そのご褒美として少しくらいいいだろうとつい買い物してしまう。そういうことで支出を増やしてしまうことがあります。そして、それが積み重なると、思いもよらなかった大きな金額になってしまうことも珍しくありません。

その増えた支出を見つけるためにも、ぜひ、以前の家計簿と比較をしてください。気が付くことがあるはずです。客観的に見ると、娯楽費や被服費等は、以前より多いのではないでしょうか。孫費もそうですね。気が付いたところから、支出を下げる工夫と努力をしてみましょう。できれば奥さん任せではなく、お二人で支出の記録をつけていけると良いですね。

通信費の見直しで節約の可能性も

また、通信費は昔のプランでずっと利用しているのではないかと思います。今はもっと安いプランがありますし、格安業者に乗り換えるという方法もありますので、一度情報を集め、使い方に合わせて契約プランを検討してみるとよいでしょう。

収入が増える制度の利用忘れはないかチェックを

ところで、相談者さんは「高年齢雇用継続基本給付金」の手続きをされているでしょうか。これは60歳時点の賃金が75%未満に下がった人が受けられるもので、賃金の低下率により給付の割合が異なるものです。雇用保険から支給される給付金なので、雇用保険に5年以上加入し、引き続き雇用保険に加入している人が対象になります。

もし、相談者さんの現役時の月の給与の額面が40万円ほどで、現在が26万円ほどであると仮定するなら、2万6000円ほどが、働いている間支給されます。この給付金の申請期限は、支給対象月の初日から起算して4か月以内となっていますが、時効は2年。いまなら遡及申請ができますので、会社の事務を通し、申請をしましょう。事情で会社を通せない場合は、ご自身でも申請ができます。

もし、この先何らかの理由で会社を退職し、違う会社に勤めることになっても、失業給付を100日以上残せているなら、同じような制度である「高年齢再就職給付金」を受けることができます。

これら雇用保険の給付金は、特別支給の老齢厚生年金を受給することになった場合には併給調整がされ、年金が一部停止になる場合もあります。

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