はじめに
幼稚園から高校までインターナショナルスクールに通ったら?
2020年の今年から公立小学3年から英語の授業が必須となりました。グローバル時代に英語は必須アイテムです。今後、英語教育はますます盛んになるでしょう。相談者のように早いうちからインターナショナルスクールに通わせたり、海外の大学に入れたいと思う親も多いでしょう。しかしネックになるのが資金の高さです。では、どのくらいの違いがあるのでしょうか。
下図は、幼稚園から高校まで(1)ずっと公立、(2)ずっと私立、(3)ずっとインターナショナルスクールに通った場合の教育費を比較したものです。
上記のインターナショナルスクールは東京都内の有名校の授業料です。その他、入学金・管理運営費・行事費・スクールバス代などが必要です。「(3)ずっと私立」よりも高額ですね。このように有名人の子息が通うアメリカンスクールは人気筋で高額ですが、個別の学校や中華系学校などの国別によっては授業料が大きく抑えられます。
相談者は、現在年500万円の貯蓄ができるのですから、妻が時短勤務になって手取りが減ったとしても人気スクールへ通学させることは可能です。しかし、第2子も都内の同じ人気スクールに入れるとなると、きょうだい割引のあるスクールもありますが、教育費をかけすぎて、これ以上の貯蓄の余裕はなくなるかもしれません。また、インターナショナルスクールは日本の義務教育と異なります。高校から日本の大学を受験する場合、大検を受ける必要があるなどの制約がある場合があります。そのため中学や高校からの進学は、日本の学校を選択する生徒も多いようです。すると費用は安く抑えられるでしょう。
海外の大学に留学した場合は?
(図2)は、日本の国立大、私立大理系、私立大医歯系、海外の大学の教育費を比較したものです。
これを見ると、海外の大学は日本の私立大医歯系と同じくらいの高額です。ただし、費用を割安にする方法はいろいろあります。たとえば国内で英語力を身につけて9月から渡航する、渡航先を米などの人気国以外のNZ、マレーシアなどの国へ変える、同じ国でも場所、学校別、州立大学か私立大学か、その時の為替レートによっても費用は異なります。さらに、奨学金の利用、4年間の期間を短くする、日本の大学と協定を結んでいる交換留学の利用など教育費を抑える方法はいろいろあります。
あるいは日本の大学を卒業して、海外部門に積極的な企業に就職後に海外赴任をするなど、本人のやる気によりいくらでもグローバルへの道は開けるでしょう。
幼少期からさきに教育費を払って英語世界にアクセスできるチケットをゲットさせるのか、成長して本人の自覚とやる気に任せるのか、いずれにせよ多様な世界の仲間と国境を超えて交流できると、人生の楽しみは広がりそうです。
(参考)
国税庁:「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm
文部科学省:「子供の学習費調査」(平成30年度)https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/mext_00102.html
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