はじめに

ラニーニャの時期は”株高”?

では株価との関係はどうなるのでしょうか?好景気と関係があるなら、株価との関係も期待できますよね。実際にデータで確認してみました。

ラニーニャの情報は気象庁のウェブサイトを使います。発生期間は季節単位で気象庁が定めています。最も古くて「1949年夏~1950年夏」ですから月単位になおすと1949年6月から1950年8月になります。足元を除いて気象庁が定めたラニーニャ局面は15回ありますから、それらの期間の日経平均株価の騰落率がどれだけ高いかを観察することにしました。

分析にあたっては注意が必要です。株式市場には季節性があります。1月効果と言われるように、1月は株高となる傾向が強いですし、逆に年度上期末月となる9月は株価が下がるというものです。

1月はクリスマス休暇明けした外国人投資家のマネーによる好需給により株高になりがちなことや、9月は年末が近づくにつれ換金売りなどが発生しやすくなるなどが理由とされています。そこで月別季節部分を除いた超過騰落率をラニーニャ期間で平均しました。

ラニーニャ、エルニーニョ現象の時期と日経平均株価の関係

分析結果を見ると、ラニーニャ期間の平均超過騰落率は年率ベースで0.63%とプラスとなりました。これはラニーニャ期間の株価は例年と比較して上昇する傾向が見られるということです。

これと反対にエルニーニョ期間では▲3.41%と下落しています。エルニーニョはぺルー沖の海面水温が反対に高くなる現象です。エルニーニョは“冷夏・暖冬”になりがちで季節モノの消費が盛り上がらないため景気へのダメージ、そして株安につながると見られます。

ラニーニャでこの冬の寒さが厳しくなると、冬物消費の盛り上がりに期待したい反面、人々の体調面は気になります。足元では新型コロナのパンデミック拡大が懸念されていることが留意点です。

また、少し前の記事「『冬の寒さが厳しいと株価が上がる』って本当?」で過去の検証をしたところ、“例年より寒い冬”の株価は高いのですが、行き過ぎて“極寒”だと株価も厳しくなる傾向が見られました。あまりにも寒いと外出が控えられますし、雪が降れば経済活動にも支障が出ることもあります。

株価にとってはラニーニャで例年より寒い冬は期待したいのですが、あまりにも寒くなりすぎたり、新型コロナ感染の動向にも注意が必要でしょう。

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