はじめに
現役の不動産投資家であり、総資産5億円を超える束田光陽さん。前回の記事では交渉術について伺いました。不動産投資で成功するには融資の活用が重要であり、そのための「銀行との関係づくり」にはコツがあるといいます。そしてそのコツは、投資に限らず人生の処世術にも通じるもの。詳しい内容を束田さんに伺いました。
どうやって銀行を味方につけるか
――前回の記事で「不動産投資を成功させるには、融資の活用が必要」とおっしゃっていました。
そうですね。自分の資金で物件を買うのは、どこかで限界がきます。そこで融資を上手に使えれば、投資家としての成果が拡大していく。逆に銀行の融資を受けられなければ、いい物件を見つけても買えず、頭打ちとなります。ですので、銀行を味方につけて、融資を活用するのが重要なんですね。
――どうやって銀行を味方につけるのでしょうか。
銀行が見るのは2つ。その人がどんな人かという「個人属性」と、その人が所有している物件の「物件評価」です。物件評価は、前回話したバランスシートとキャッシュフローが主になります。
問題は個人属性の方。どちらかといえば、物件評価より重視される印象です。何をするのかというと、男性が結婚相手の父親に「娘さんを僕にください!」と言いに行くイメージですね。男性向けのたとえで恐縮ですが。
――どういうことでしょうか(笑)
娘さんをくださいと言ったとき、相手の父親はあなたのさまざまなことを気にしますよね。その「父親が気にすること」を銀行に聞かれるイメージです。年収、貯金、職業、肩書き。そして家族構成など。
その上で、過去に借金を滞納していないか、ブラックリストに載っていないかも確認します。日本では、さまざまな機関に個人の借金履歴が記録されています。CICや日本信用情報機構(JICC)、全国銀行協会などですね。これらから記録を確認できるので、自分自身の滞納歴などをチェックするのです。