はじめに
――マイホームを購入する層に特徴はありますか
初めてマイホームを購入する人の比率が増えています。子どもが大きくなったら住居の購入を考えていた20、30代の「リモートワーク組」が、今の環境に耐え切れず、前倒しで購入しています。逆にランクアップの買い替えを考えている層は、様子見をする人が多い傾向です。
――リモートワークが追い風になったということですね。このような状態になることを予想していましたか
当初は考えもしませんでした。
ただ、予兆はあって、4月はモデルルームが閉鎖し見学できない状態が続いていましたが、スーモの資料請求数やPVが急増しました。4月の新築戸建ての資料請求数は前年同月比約1・5倍に跳ね上がりました。ゴールデンウイークあたりから「くるな」という感覚がありましたね。
住宅ローンは前年の年収が審査対象
――コロナ不況とも言われますが、リーマン・ショックの時との違いは何でしょうか。
今、住宅が売れている一番の大きな理由は、賃貸を脱出する人たちが買うことができているからです。なぜ買えているかというと、要因は2つあります。
1つ目は新築の分譲戸建てが非常に安く供給できているから。だから2LDKの賃貸に住んでいた人たちが、4LDKの戸建てを購入できている。同じエリアでは難しくても、これまで駅から徒歩5~10分の物件に住んでいた人が、15~20分の物件なら買えるとか、急行電車が停まるターミナル駅から1、2駅離れたエリアなら買えるということです。
2つ目は住宅ローンがしっかりつくこと。コロナ禍で急遽、家を買うことを思い立った人の中には頭金が少ない人もいると思います。今、住宅ローンは頭金がゼロに近くてもフルローンが組めます。
また、住宅ローン審査は前年の年収で見るので、新型コロナウイルスによる収入減の影響が出る前の額が査定の対象になります。また、超低金利でネット銀行なら0.5%、「フラット35」でも1%程度なので、購入を検討しているのであれば、買わない理由はないのではと思います。