はじめに

BtoB EC関連で存在感を増す4企業

いちよし経済研究所では、スモールBtoB EC関連企業として、ラクーンホールディングス(3031、東1)、ビューティガレージ(3180、東1)、ミクリード(東マ、7687)、歯愛メデイカル(3540、JQ)に注目します。

ラクーンホールディングスは、BtoB仕入れサイト「スーパーデリバリー」を運営しています。衣料品・服飾雑貨領域において、幅広い取扱商品を有しており、正規の卸値流通を担保する独自の仕組みに強みを持っています。コロナ禍における事業者の調達経路の見直しや、ECサイト開設数の増加を背景に、購入会員数、出展企業数、スーパーデリバリーの流通額の増加が連鎖する好循環が生まれ、中長期的な高成長が見込めると考えます。

美容、歯科医院、居酒屋向けECサイトも

ビューティガレージ、歯愛メディカル、およびミクリードは、売り手、買い手ともに中小零細事業者が主体となる市場構造に属することから、スモールBtoB EC市場拡大の恩恵を全面に受けることが想定される企業です。

ビューティガレージは美容室など美容サロン向けの美容商材の販売を手掛ける美容ディーラー、歯愛メディカルは歯科医院向けの業務用品のEC・通信販売事業者、ミクリードは居酒屋向けの業務用食材卸事業者です。

コロナ禍で、顧客側の業界、美容院、歯医者、居酒屋はいずれも大変な苦戦を強いられましたが、この3社の業績はこれらの業界の落ち込みに比べると影響は軽微に留まりました。ここに、ECという販売チャネルを持つ優位性が顕在化したといえるでしょう。

これらの企業の販売チャネルを利用した顧客は、その高い利便性から、今後利用が定着することが期待されます、コロナ禍における、一過性の特需ということではなく、業界のパラダイムシフトに対応した中長期の成長が期待されます。

<文:企業調査部 倉橋延巨、甲斐友美子>

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