はじめに

ちょっと背伸びした業務を任せる

部下と成長イメージを共有できたら、次は(2)アサインです。アサインとは、部下の成長課題を踏まえたストレッチ(少し難易度が高い)経験を与えることを指します。そのためには、成長課題を踏まえた仕事のアサイン方法とストレッチな経験の理解が必要になります。

アサイン方法には3通りあります。1つ目は、上司自ら新たな仕事を「引っ張ってくる・創る」こと。2つ目は、今の仕事を部下の成長課題に合わせて「意味付け」することです。

今の仕事が、目指すキャリアにつながらないと部下が捉えていても、それは一つの見方でしかありません。上司の立場から仕事の「意味づけ」をすることで、部下の見方は変わる可能性があります。

3つ目は、部下の成長課題を「要素分解」してみることです。要素分解してみると全ての要素ではないものの、今の仕事で成長につながる要素が見つかるはずです。

では、ストレッチな経験とはどれ位の難易度と考えたら良いのでしょうか。現在の部下が完遂できる仕事を100とした際に、110くらいの仕事が適切と言えるでしょう。

ここで大切なことは、部下毎に「現在の100」を上司が的確に把握することです。部下によって完遂できる仕事は大きく異なるので、120を越える、部下がパニックに陥るほどの仕事は、まだ早いと判断した方が妥当です。

部下の目線に立ち、経験学習を促す

最後に(3)サポートです。サポートとは、ストレッチな仕事に向き合っている部下に対して、対話による支援を行うことです。一般的には、月1回以上の頻度・30分程度の時間・1対1の形式で行います。これを「1on1」と呼び、実践する企業も増えてきました。

面談は、経験学習サイクルに基づいて進めていきます。これは人材育成に関する最新アプローチの1つで、「仕事上の経験を振り返り、そこから何を学んだかを明らかにし、次にやるときに応用してみる」といったステップを繰り返していくものです。

1on1はあくまでも部下主体で話す場です。上司が一方的に話し続けたり、把握したいことばかりを質問してはいけません。また、指摘や注意ばかりするのも良くありません。1on1の場においては、部下を前向きにすることを心掛けましょう。終わった後に、部下の表情が生き生きしているか確認してみましょう。

1on1を効果的に行うことができれば、部下は適切に経験学習サイクルを回すことができ、成長を促進することができます。

キャリア自律が求められる日本社会において、「デザイン・アサイン・サポート」を意識した上司の関わりは、ますます求められていくでしょう。