はじめに

不動産投資をおすすめしない理由

現在は、家の買い替えを目標に置かれていますので、それまでは不動産投資はやめておいた方がよいでしょう。10年後に家を買い換える場合、相談者様は45歳ですので、現在のマンションを売却して、足りない部分は住宅ローンを借りることになるかと思います。その際、不動産投資によって借入の信用残高を使ってしまっていたり、空室リスクや家賃の減額などでキャッシュフローが悪くなっていたりすると、住宅ローンの審査が厳しくなる可能性もあります。

また、不動産投資は、「大家業」になりますので、一つの事業として事業計画を立てることや、出口戦略、メンテナンスコスト、空室リスク、税金など複合的な視点で考えることが必要になります。成功すれば資産になっていくこともありますが、負債になってしまうこともあり得ますので、住宅を買い換えることを重要視しているようであれば、あまりおすすめできません。

住宅の買い替えで気をつけるべきポイント

現在のマンションは都内の高級マンションということになると思います。マンションの場合、修繕費と管理費は築年数が経つほどに高くなる可能性があります。また、戸数が少ないマンションの場合は1戸あたりの負担も大きくなりがちです。老後を見据えたときにランニングコストが大きくなることがあるので、ご相談者さまのように買い替えを考えられる方もいると思います。買い替えの際は、住宅ローンの残高以上に高く売却できたらOKと考えがちです。

しかし、住宅ローンが残っている状態で、次の家を買うことは現金一括で買う以外はダブルローンになってしまい、審査が降りないことも多いのです。また、現在の住宅を売ってから、スムーズに新たな不動産を買って途切れなく住み替えるということは意外と難しいので、一度賃貸物件を借りることも視野に入れて動かれると良いと思います。その際、売却の際の仲介手数料や、新たな賃貸の仲介手数料が発生しますし、引っ越し回数も増えるので、この辺のコストも視野にいれて売却価格が納得行くものになるかを考えられると良いでしょう。

住宅の売却は、不動産仲介会社を通じて行うことになると思いますが、最初は専任媒介契約は避けたほうがよいでしょう。どうしても一社の専任になってしまうと、情報がコントロールされてしまい相場より安く売ってしまう場合があります。一般媒介契約で複数社と契約することで、情報戦で優位に立つことができますし、3社ほどの一般媒介契約を結び、売却価格の相場や引き合いを見て、実際にいくらで売却できそうかの感覚がつかめたら、その中で動きの良い1社と専任媒介契約に切り替えて交渉していく手もあると思います。

不安を減らすためには

収支はご夫婦で力をあわせて高い状態だと思いますし、住宅以外の固定費は低く抑えられているので問題は少ないと思います。制度改定したジュニアNISAについても学ばれて取り入れていこうという視点も非常に良いと思います。

お金は、いくら良い状態でも不安はつきものです。不安を減らすには、ご自身を知り、より精緻にライフプランを立てることです。使途不明金を減らし、家計把握をしっかり継続できる状態をつくることが一番効くアドバイスになるかなと思いました。以上、ご参考になれば幸いです。

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