はじめに
親が伝えるべき真実
相対化の一つとして、例えば最近ご相談を承った受験生がいます。サッカークラブの選手だそうで、保護者は部活動ではなくクラブでサッカーを楽しめるよう、むしろ学校生活は練習に差し支えない範囲で送ろうというスタンスでの学校選びでした。
ここでは期待するものが全て学校にあるのではなく絞られています。得意分野を持つ人の活躍の場は、むしろ校外にある場合が少なくありません。
そもそも公立中学に進学すると、高校生がいないために私立一貫校の体育祭・文化祭のようなダイナミックスさに欠け、見劣りがします。私立中高一貫校の学校文化の魅力は、やはり6学年の異なった年齢の生徒が同じ所で学ぶことです。それぞれの成長の違いの大きさが成長の糧になるのです。そこに落差があるから憧れるわけです。
けれども、この落差は学校でなくとも別の場でもあるということを、人生経験を積んだ親や世間が受験生にもう一つの真実として伝えておきたいところです。失敗も糧になるという当たり前のことを親が教えるべきだと思います。
情報提供:晶文社『首都圏 中学受験案内』編集部(https://www.shobunsha.co.jp/?p=5704)