はじめに
三点目は**「株式分割」**です。
株式分割は企業が株価を個人投資家にも買いやすい手の届く株価にする施策です。新規の投資家には参戦しやすい最低投資額となり、既存の投資家には分割後に利益確定する機会を与えることになるため株主還元の意図もあります。既存投資家も銘柄に自信があれば買い増しやすくなりますし、資金の少ない投資歴の浅い投資家にとっても分割が続けば、100株持ち続けるだけで2倍、4倍、8倍と株数が増え128分割で10,000株以上の株主になれます。
テンバガーとなった53銘柄のうち株式分割を実施していたのは37銘柄で、最大分割数は64分割でした。また、分割ではありませんが売買単元が500単元から100単元に変わった銘柄を含めると39銘柄です。
過去の傾向からすれば、2分割を2回繰り返し4分割し、これに加えて「好業績」か「成長期待大」が伴えば10倍を超える印象です。具体的にはインフォマート、アイル、イーギャランティあたりでしょうか。
株式分割には上場企業側にもメリットがあります。それは自社株買いをする場合です。株式分割によって買付単価が下がれば自社株買いの原資が少なくても分割前より買い付けしやすくなります。そして過去のテンバガー歴を見直しますと、過去に1度でも株式分割をしているとその後も時間をおいて株式分割される可能性が高いように思います。株式分割は株主を入れ替えつつ更に株主数を増やすには、企業側にとっても業績に自信があれば有効な手段です。
以上3つは絶対条件ではなく、あくまでテンバガーを引き当てる確率を高めるための条件です。投資は資産を増やす確率の高い方法に資金を投下するものです。テンバガーも狙って資産拡大を早めたい場合は、こういった基準も参考に銘柄選びをしてみてはいかがでしょうか。