はじめに
世界の株式市場は明暗分かれる
それでは、今年株価パフォーマンスが良かった国はどこでしょうか?
まず、圧倒的に好パフォーマンスを達成しているのが米国のナスダック総合指数です。なんと昨年末に比べて40%を超える上昇を達成しています。
一方、同じ米国のNYダウ平均はプラスリターンを達成しているものの、5.7%とナスダックとは非常に大きくリターンが乖離しています。なぜ同じ国の株価指数でこんなにも差がついているのでしょうか?
それは指数を構成している銘柄の差です。ナスダック総合指数はナスダック市場に上場する3,000銘柄以上で構成されていますが、GAFAMと呼ばれるグーグル(上場企業名はアルファベット・GOOGL)、アップル(AAPL)、フェイスブック(FB)、アマゾン(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)などIT関連株のウェイトが非常に大きく、コロナ禍でも業績を伸ばしたこれらの会社の株価は大きく上昇しました。
一方30銘柄で構成されているダウ平均はアップルやマイクロソフトも入っている一方で、キャタピラー(CAT)やボーイング(BA)、シェブロン(CVX)など今回のコロナショックで大きく業績が悪化した景気敏感株のウェイトが大きく、指数の足を引っ張っている形です。
ナスダック総合指数の次にパフォーマンスが良いのが日本のマザーズ指数です。新興企業が上場するマザーズ市場には、今後の成長が期待されるIT関連株が多く上場しています。コロナを受けた企業のDX推進期待や消費者のEC利用の増加などを受け、大きく上昇した銘柄がたくさんありました。
日経平均も11.9%の上昇と堅調なパフォーマンスを達成しています。マザーズも日経平均も堅調なパフォーマンスを達成できているのは、(1)日本は相対的に感染者数が少なく落ち着いていたこと(2)日銀の大規模な金融緩和(3)日本政府の財政支出による経済の下支えといった要因がありそうです。
株価が冴えないのは香港のハンセン指数や英国のFTSE100などです。これらの国(地域)はコロナの影響に加えて近年政治的な混乱もありましたから、そういった影響も出ているのかもしれません。