はじめに
不動産投資の特徴は?
不動産に関しては、単に不動産であれば何でもよいわけではなく、立地も重視すべきです。今後の日本の人口減少を加味するのであれば、居住地域として人気のあるエリアにまとを絞り投資を行うことが無難です。
さて、ご相談者の方がお話しされているように、不動産投資の中にはリートなどの不動産投資信託があります。これもインフレ時には不動産価格の上昇や家賃上昇が期待できるため、一つのインフレ対策としては有効となり得ます。ただし、株式のように市場で売買されることから、急激なインフレが生じてパニックとなった場合にはいったん換金売りも出て価格が下落する恐れもありますし、すぐに家賃が上昇するわけではないためその時の市場の反応がどう出るかによります。
中長期的でどっしり構え、じわじわとくるインフレ対策であればよいものの、急激なインフレ時には想定外のことも起こりえることは心しておくべきです。もしお買いになるのであれば、都心の物件に投資するリートであったり、物流施設へ投資するリートなどは今後も他の側面から期待できるため、インフレ対応かつ伸びしろを期待してお買いになるにはよいと思います。
外貨はどうか
外貨という視点も有効となるかもしれません。仮に日本のみで急激なインフレが生じるのであれば、円安が発生すると想定できます。これはあくまでも物価という視点から捉えた為替の動きとなるものの、他国に比べて大きくインフレが生じるのであれば、基軸通貨の米ドルを含め、ユーロ、豪ドルなどで保有することも検討してよいと思います。なお、米ドルに関してもおっしゃる通りインフレが生じる可能性はあるものの、今のところ基軸通貨としてゆるぎない地位を得ているため、米ドルも投資候補でよいと思います。
資源や株への投資も有効
インフレ対応としては資源も有効です。とはいえ、資源そのものを買うのはなかなか勇気がいりますし、貴金属であっても保管場所に困ることでしょう。そこで、間接的にですが、資源国の通貨や資源を取り扱う商社の株式などを保有する方法が考えられます。ウォーレンバフェットが投資する日本の商社も悪くありません。オーストラリアドルなど資源国通貨への投資や資源国の国債保有なども検討できます。
また、株式投資もインフレヘッジとして機能します。ただし、株式であれば何でもよいわけではないため、商社をはじめ、今後期待できる銘柄に絞りましょう。日経平均株価やTOPIXへ投資する投資信託などでも構いませんが、個別の株式であれば貴金属関連の会社、不動産会社などがよいと思います。