はじめに

休息が必要です。心身の疲れを癒しましょう

現在51歳で独身のご相談者さん。昨年、ご両親が他界して現在ひとりで暮らしています。大切なご両親を失った喪失感は大変なものでしょう。しかも長引くコロナ禍の影響もあり、気晴らしもできないままに、おひとりでご両親を失った喪失感や寂しさと長く向き合われてきたのではないでしょうか。

それに、対人関係がうまくいっていないということから勤務先が大きなストレス源となっています。働く目的も見いだせずに、「辞めたい」と思ってしまうのも無理のないことでしょう。

ご相談者さんには、今、休息が必要です。将来について前向きに考え、冷静な判断を下すには、元気な心と身体が大前提です。まずは数日間、仕事を休んで、ゆっくり睡眠をとって体の疲れを取りましょう。

続いて、コロナ禍が落ち着いたら、気分を変えるために別の土地に旅に行ってみてはどうでしょうか。旅が難しければ、自宅のインテリアを大胆に変えてみるのもいいかもしれません。いつもの暮らしから少し離れて、気分を変える工夫をしてみましょう。

「そんなまとまった休暇なんて取れない」状況かもしれませんが、急に会社を辞められてしまったら、会社にとっても大きな損失です。何か口実を見つけるか、残っている有給休暇など使える制度を使うなどして、辞める前に「休む」ことにまず挑戦してみてください。

完全リタイアにはまだ早い

元気が戻ってきたら、今後について冷静に考えていきましょう。

現在の年齢は51歳。まだまだお若く、働ける年齢です。持ち家があり、700万円の預貯金があるという事ですが、仮に今リタイアをした場合、1カ月の生活費が15万円ですから、1年間で少なくとも180万円は必要です。4年間だと合計720万は必要になりますから、現在の預貯金700万円は4年以内になくなる計算になります。潤沢に退職金をもらえない限り、今現在のリタイアは現実的でないことが分かります。

3つの選択肢から働き方の検討を

何らかの形で働き続ける場合には、大きく3つの選択肢があります。

(1)今の会社を継続して別の支店や店舗に異動願いを出す
(2)同業他社への転職を検討する
(3)まったく違うことにチャレンジする

このうち、(1)が一番リスクの少ない方法です。現在の仕事が嫌いではなく、目の前の人間関係だけが問題ならば、上司に相談をしてみましょう。上司との相性が悪いならばさらにその上司や人事に掛け合ってもいいでしょう。100%うまくいくとは限りませんが、自分から退職を願い出る前にやってみる価値はあると思います。新たな仕事を覚える必要がなく、収入も維持できます。

いまの勤務先で異動などの選択肢がない場合には、(2)同業他社への転職、を検討しましょう。なかなか厳しいご時世ですが、運送関係はコロナ禍で忙しくなっている業界ですから、経験者であれば新たな仕事先は見つかりやすいと思われます。求人情報を探すところから始めてみましょう。

もう、運送業界自体が嫌になったという場合や、実はひそかにやってみたいことがあるという場合には、(3)まったく違うことにチャレンジする、が候補になります。ただし、いまは世の中的にとても厳しい状態ですから、求人は減少傾向にあります。特に、年齢が50代で未経験分野への転職となるとかなりの厳しさが予想されます。自分で起業をするという方法もありますが、生活できるようになるまでには数年かかるかもしれません。経済的にも精神的にもいちばん厳しい道となるでしょう。

以上より、現実的な選択肢は(1)か(2)となりそうです。できそうなことから始めてみてください。

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