はじめに

客付けは賃貸専門業者が理想

――ここから順調に進展したのですか?

いえ、苦労はまだまだ続きます(笑)。そもそも購入したのが1月です。賃貸不動産の繁忙期は1月頃からはじまり3月がピークです。これは転勤や進学などで引っ越しをしなければいけない人が圧倒的に多いためですね。私としては繁忙期を逃したくなかったので、「とにかく早くリフォームをして、入居募集をしなくては……」と焦っていたわけです。しかし業者探しに1カ月以上もかけてしまいました。リフォーム工事そのものは10日程度でしたが、入居募集ができたのが3月早々です。「賃貸の繁忙期を考えてなかった」これが「失敗②」ですね。

――繁忙期ギリギリというところですね。

さらに私は大失敗してしまいました。本来であれば、あらかじめ地元の賃貸仲介の不動産業者さんに「その地域の家賃相場や募集条件はどうすればいいのか」などヒアリングすべきところ、していませんでした。当初の家賃設定は7万円でしたが、これは私がなんとなく決めました。「なんとなくの家賃設定」、これが「失敗③」です。リフォーム前に業者さんからもらった査定家賃があったので、これに少し上乗せした価格です。結果はと言うと、リフォーム済とはいえ、築古物件ですから高すぎましたね。

――結局、7万円の家賃では決まらなかった?

半年、空室が続きました。値付けの失敗もあるのですが、客付けをお願いした不動産業者さんも友人の紹介でしたが、それも失敗でした。というのも、その会社はとても親切ですが売買中心の会社で、賃貸仲介は専門ではなかったのです。また、場所が物件から1時間以上も離れています。もっと近い会社で賃貸仲介に強い会社を探して依頼すべきでした。これが「失敗④」です。

――問合せがまったくなかったのですか?

私は知らなかったのですが、後から聞いたら「もっと家賃が安くならないか」という問合せがあったそうです。こうした家賃交渉はよくあることで、大家さんがOKを出せば家賃は意外と下がります。ところがこの会社は昔気質なタイプなのか「物件を見もしないで値切るなんて!」と家賃交渉があった段階で、お断りを入れていたとのことでした。売却前提であれば家賃は高いにこしたことはありませんが、所有して家賃収入を得ることを目的とするならば、多少家賃を下げてでも空室期間が短いほうがよいです。ましてや戸数あるアパートではなく、戸建てですから決まらなければ1円も入ってきません。家賃交渉について、仲介会社と話し合ってなかった。これが「失敗⑤」です。

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