はじめに

待たせない

「5%社員」の行動を分析すると、よく口にする言葉が2つありました。いわば、仕事を効率的に進める「魔法の言葉」です。それは、「今いいですか?」と「それはできません」です。とてもシンプルな言葉ですが、この言葉が言えるか言えないかが、「仕事ができる/できない」の大きな分かれ目だったのです。

仕事の効率があまりよくない人は、「こういう話をしたいんですが、来週の木曜日に、60分時間をくださいませんか」と、長文のメールでお願いをしがちです。

相談相手のその時間が空いているかどうかもわからないのに、これでは調整に時間を要しますし、何より、本当は60分も必要ないかもしれないのに、時間を取ってもらったという気持ちから、60分フルで時間を費やしてしまう。

「5%社員」は、相手の時間も気にするので、誰かに相談するときには、「今いいですか?」と尋ねて、相手が応じてくれたら、その限られた時間で目的を達成しようとするので、話は要点だけになり、お互いに気持ちがいいのです。

もう1つの「それはできません」も非常に重要です。

仕事ができるがゆえに、「5%社員」には、多くの仕事や相談が降ってきます。これをすべて受けていては、自分が本当にやるべきことに費やす時間が少なくなります。自分が何をやるべきで、何をやるべきでないかを明確にして、「できないことはできない」と断ってしまう。それが自然にできていました。

今後、職場にAI が浸透してくると、人間が何をやり、やらないかを決めることが求められると思うのですが、そんな中で彼らの「やらないこと」を決断する能力は、ものすごく重要なのです。ここは、大いに参考にすべきところです。

メールにすぐ返信するということは、自分にとっても相手にとっても仕事のスピードをアップさせます。メールをすぐに返せば、仕事ができる印象を相手に与えることもできます。

「5%社員」はトラブル対応も迅速です。トラブル対応は初動が重要なので、すぐに上司に報告して対処方法を相談します。報告もトラブル対応も時間が経てばたつほど、後で時間を奪われることを「5%社員」は理解しているのです。

AI分析でわかった トップ5%社員の習慣 越川 慎司 著

AI分析でわかった トップ5%社員の習慣

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