はじめに

企業の働き方改革支援を事業としているクロスリバーは、ビジネスパーソン1万8000人を定点カメラ・ICレコーダー・GPSで調査、AI分析した結果、人事評価で「トップ5%」の評価を獲得していた社員には、再現性の高いルールがあることを発見しました。前回前々回にひき続き、日本マイクロソフト業務執行役員の出身で、クロスリバーの代表取締役社長CEOである越川慎司氏の著書『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から抜粋して紹介します。


トップ5%社員は「早型」

調査の結果、「5%社員」は平日19時前後の業務量が圧倒的に少ないことがわかりました。一日の働き方についての分析結果をみると、95%の一般社員は、終業時間間際に非常に忙しく作業をしています。

通常業務が17時半に終わるとしても、それまでに終わらなかった仕事の処理や、明日提出する提案書の準備、さらには経費精算などの事務作業をしているのです。最近は20時前後に消灯する会社も増えていますから、それまでになんとか終わるように、と駆け込みで片付けている人も多いでしょう。

一方、「5%社員」が最も仕事を詰め込むのは、午前中であることがわかりました。そして、夕方にはその日やるべき仕事がすべて片付いていて、ほぼ定時でさっさと退社しているのです。

3つのロスをなくす

なぜそんなことが可能なのか。「5%社員」はすべての仕事について、先を読んで早めに準備をしていることがわかりました。資料を作る前に戦略を練ったり、難しい交渉を翌日に控えていたら、その調査を前日に終わらせていたり、顧客に送信するメールを前日に作成して、下書き保存しておいたり……。直前や当日になって「今からやらなきゃ!」と慌てて作業するとアウトプットの質が下がることを知っているのです。早めに準備をして、「焦りのロス」をなくそうとしています。

また、「5%社員」は、特に朝に狙いを絞って重要な仕事を進める習慣があることもわかりました。朝はメールや電話、会議も少ないため、スケジュールを自分の意思で決めやすい。つまり、朝は誰にも邪魔されずに仕事ができる時間だ、ということを理解しているのでしょう。

昼頃を過ぎて、「さあ、今から本腰で仕事に取り組もう」と思ったタイミングで、別の仕事の依頼がメールで届いたり、取引先からの電話で時間を取られてしまったり……といった、「集中力のロス」が、彼らには極端に少ないのです。

また、ランチ後、特に15時前後は、血糖値の関係で人間の集中力が最も下がりパフォーマンスが落ちる時間ですが、「5%社員」はこの時間に、脳を使わない精算などの事務処理作業を行っていることもわかりました。「パフォーマンスのロス」を最小限に抑えるために、脳を使わない作業を15時前後に行っているのです。