はじめに

収支について

収支はプラスであることにこだわりました。新築物件は月に1~2万円の赤字(持ち出し)の物件をローンに団体生命保険が付いているため生命保険代わりにしている人もいるかもしれません。

家賃は下がりにくいとはいえ、新築物件は新築プレミアムが乗っているので購入から数年で家賃は下がる可能性が高いです。購入時点で収支が赤字である物件は、低金利・低成長の日本では家賃上昇が見込みにくく、厳しい収支運営になってしまいます。

私はサブリースで入ってくる収入、管理費・修繕積立金を勘案して収支がプラスの物件を買うことができました。家賃や利回りについてこだわる人がいますが、私は収支がプラスであれば気になりません。地域に沿った家賃相場で借り手がついていることを注意したくらいです。あくまでもポートフォリオに不動産と負債を組み入れることが重要なので、収支がプラスで返済が進んでいれば気にしていませんでした。結果、7年間保有していますがその間に低金利や不動産投資が盛り上がったこと、若干の家賃相場の上昇の恩恵を受けています。

不動産投資は建物の劣化や空室などネガティブな面がクローズアップされがちですが、ある程度の期間保有することでローンの返済が進むことはあまり語られることはありません。売却時は売却価格からローン残額を引いたものが手残りです。保有期間が長いとこの手残りが増加していきます。

最近は返済期間を最長45年まで延ばすことができる投資用不動産ローンも登場しています。長すぎる返済期間を選択する方は、社会情勢の変化や大規模修繕の持ち出しなどを考えて利用してほしいです。

保有7年で売却

では、私の例に移ってみましょう。今年1月末に南大塚に保有している物件を売却しました。物件概要はJR山手線大塚駅から徒歩5分、20平米前半のワンルームマンションです。築10年ちょっとで購入して現在築18年の物件です。

山手線駅近、東京メトロ、都電荒川線も利用できる立地で客付けに困ることはありませんでした。7年間の保有で家賃は700万円弱、管理費・修繕積立金や固定資産税などの諸経費や税金を引いても600万円前後の収入がありました。加えて物件価格の上昇も見込めたため売却することにしました。物件の値上がり益は200万円となり、家賃分の600万円と合わせて800万円のプラスとなりました。

物件が古くなっているのになぜ値上がりしたのか?と思っている方もいると思いますが、背景は低金利であること、銀行や信販の融資態度を緩くしたため金融商品としての価値が上昇したことだと考えています。

簡潔に言うとローンを組める年数が延びています。今までローンは35年が普通でした。鉄筋コンクリートのマンションの耐用年数は47年のため、この耐用年数まで各社ローンを伸ばしています。そのため、新築マンションは45年前後のローンを組むことができます。ローンの年数を延ばすと月々の返済額を抑えることができるため、物件価格が上昇しても「家賃―(引く)返済額」がプラスでマンション経営ができます。

これにより低金利の継続なども加わり、都内のマンション価格を押上げる結果となりました。

次回は、税金問題と売却の電話対応についてお話しします。

この記事の感想を教えてください。