はじめに
Bコミこと坂本慎太郎です。株式評論家としてラジオや証券会社の講演、個人投資家向けの教育コンテンツなどの活動をしています。前回は管理のポイントと過去に購入した物件の売却についての話をさせていただきました。今回は税金問題やマンションを保有しているとよくかかってくる業者からの電話やその裏側などをお話ししたいと思います。
税金問題
投資用不動産の税金と言えば「購入後5年経って売却しましょう」が合い言葉になっています。売却した年の1月1日を基準として5年以内に売却すると利益に対して39.63%の税金がかかり、5年を超えると20.315%となります。
今回はこれ以外に個人投資家の方にはあまり関係のない話ですが、物件の売却を前にして事業を行っている私には切実な問題がありました。それは消費税の存在です。不動産は基本、消費税を内税で売買しているので気にならない方はいると思いますが、2年前に個人事業から法人成した私は2020年まで課税業者でした。
売買を行うと建物にかかる消費税(土地は非課税)を徴収されます。仮に2,000万円で売却して土地建物が1,000万円ずつだとすると100万円の消費税を支払わなければなりません。これを回避するために非課税に戻る2021年まで売却を待たなければなりませんでした。2020年の春先からコロナウイルスが蔓延し、好調だった不動産市況はどうなるのかやきもきしていましたが、意外にも不動産市況は崩れませんでした。金融機関の態度に変化がなかったこと、米国の大規模な金融緩和から利回りを獲得する投資の選択肢が極端に狭まったことから不動産に対するマネーの流入は継続し、さらに不動産価格を上昇させる結果となりました。不動産の担当者にヒアリングしたところ、政策公庫や信用保証協会融資のコロナ融資で不動産を購入する中小企業の経営者もいるようです。このことも手頃な数千万円の物件の需要が高まっている背景かもしれません。
私の物件も、はじめに売却しようと考えていた金額(市場価格より少し上)から値引きするどころか3%上で売却できました。