はじめに

資源・エネルギー部門に強い三菱商事、三井物産

原油や銅の市況回復の恩恵を受ける企業として大手総合商社が挙げられます。中でも、資源・エネルギーの上流権益に強みをもつ三菱商事(8058)と三井物産(8031)に注目しています。

原油・ガスの持分権益生産量は、三菱商事が24.1万バレル/日(2019年)、三井物産は25.7万バレル/日(2019年度)、銅の持分権益生産量は、三菱商事が23.8万トン/年(2019年)、三井物産は15.4万トン(2019年度)と高い水準にあります。

また、三菱商事は鉄の生産過程で使用される原料炭の持分権益生産量が3,160万トン/年(2019年度)、三井物産は鉄鉱石の持分権益生産量が5,780万トン/年(2019年度)とそれぞれ総合商社ではトップにあります。

このほか、伊藤忠商事(8001)は1972年に総合商社では初めて中国から友好商社に指定されるなど、中国ビジネスに強い点が特長です。

また、丸紅(8002)は同業他社に比べ資源・エネルギー部門と非資源部門の収益バランスがとれた事業ポートフォリオとなっています。

住友商事(8053)は化石燃料ビジネスを見直し、洋上風力発電など再生可能エネルギーに力を入れるとともに、鉱山開発事業ではEVに多く使用される銅やニッケルに経営資源を集中する意向です。

<文:投資情報部 碓氷広和>

この記事の感想を教えてください。