はじめに
団信付きも選べるようになった「フラット35」
団信とは、住宅ローンの返済中に万が一のことがあった場合に、保険会社が保険金によって残りの住宅ローンを完済する仕組みです。基本的に、住宅ローンを組む場合は団信加入が必須となります。その為、住宅ローンを組む為には団信に加入する必要があり、その保険料は毎月の住宅ローンに含まれる形式となっています。
ただ、「フラット35」を利用する場合は、団信加入が任意となっており、以前までは、住宅ローンとは別に団信の保険料を負担するかたちとなっていました。それが、平成29年10月以降、フラット35においても団信が組み込まれた住宅ローンにリニューアルし、現在は団信付きの住宅ローンと団信を外しての住宅ローンとを選択できるようになっています。
おそらく、ご相談者は平成29年10月以前に住宅ローンを組んでおり、外枠での支払いだったものを、住宅ローンに組み込む形の住宅ローンへの借り換えを提案されていると思われます。
3大疾病保障付と比較
では、ご相談者の場合、借り換えについてはどのように考えれば良いでしょうか。
いただいた情報では、残りの期間や金利、団信の保険料等が不明な為、残債や現在の住居費から概算で下記条件で考えてみましょう。
【現状の住宅ローン】 ※住居費と若干の相違があります
残債:5,000万円
残り期間:31年
金利:1.1%
月々:15万8,686円
団信保険料総額(概算):290万
返済総額:住宅ローン5,903万円+団信290万円=6,193万円
まずは、フラット35での借り換えをみてみましょう。現在のフラット35での団信付き借り換え金利1.35%とします。3大疾病保障を付加する場合は、+0.24%上乗せとなりますので、適用金利が1.59%となります。残債に諸費用を組み込んで借り換えした場合で算出すると下記となります。
【借り換え後住宅ローン(1)】フラット35・3大疾病保障付き
借入額:5,000万+諸費用130万=5130万
借入期間:31年
金利:1.59%
月々:17万4,759円(団信込み)
返済総額:6,501万
現状のローンと比較すると、返済総額で308万円程の増額となります。残りの期間が31年だとすると、年間約10万円の保険料でローンの残債に対して3大疾病の保障が付加されることになります。
8大疾病保障付きと比較
次に、8大疾病保障付きの場合を考えてみましょう。8大疾病保障を付加する場合は、フラット35以外になります。条件は変わりますが、変動金利で借り換えた場合の効果をみてみましょう。変動金利が0.45%、8大疾病付加で+0.3%上乗せで適用金利0.75%仮定します。
【借り換え後住宅ローン(2)】金融機関・8大疾病保障付き ※変動金利・金利変動なし
借入額:5,000万+諸費用130万=5,130万
借入期間:31年
金利:0.75%
月々:15万4,598円(団信込み)
返済総額:5,751万
現状のローンと比較すると、将来の金利変動が無い場合は、総額で約440万円の減額となります。当然、将来の金利上昇リスクがあるので、確実に減額に繋がるわけではありませんが、月々の返済を抑えて保障を充実することが可能になります。
また、保障が付加されることで、現在加入されている生命保険や医療保険の見直しが可能になり、保険料コストダウンも期待できる場合もあります。最近は、ネット銀行を中心に、金利上乗せ無しで、がんと診断されたら50%残債を保障されるなど、各金融機関の団信のバリエーションも増えています。