はじめに
フランス人が子どもを産まない理由は?
商店街をキックスケーターで移動する子供
ここで最初の問いに戻ります。なぜ、フランスの出生率は4年連続で減少したのでしょうか。
一説には環境問題が挙げられています。「CO2削減には子供を産まないことが1番の対策」とするデータを2018年10月にAPFが報道し、その反響が各紙で取り上げられました。
実際ここ数年、子供を持たない選択をした人々の意見をメディアで目にする機会が増えています。
「環境問題を考えると、これからの世の中に新しい生命を生むことを無責任だと感じる」「自分が孤独になりたくないから子供を産むのか?人生に本当に子供が必要かどうか真剣に考えた末、私には必要ないと判断した」「今ある自由を一生涯大切にしたい」「子供を持つことは、自分には背負うことができないほどの大きな責任だと感じる」など、理由はさまざまです。
筆者の周辺を取材してみても、少なくない数の20~30代の男女が「子供を持たない」と答えました。今後、フランスでも少子化が進む可能性はあるでしょう。