はじめに

特徴的な「保育ママ制度」

産休の後は保育、そして教育です。フランスには託児所以外にも充実した保育ママ制度があり、職場復帰を望む母親と父親を支えています。

保育ママは、子供を4人まで自宅や雇用主宅で預かることのできるプロであり、行政から認可を受けた職業です。労働時間や休暇、報酬の規約が存在し、保育ママ制度を利用する親は雇用主となって保育ママと個人的に契約を交わします。

2014年のフランス家族手当基金の報告では、フランスの56%の未就学児童(3歳未満)が託児所を利用し、80万3,300人の親が保育ママと契約を交わしました。

パリ市内を歩く親子とベビーカー

保育園は無償

3歳になるとフランスのほぼ100%の児童が保育園に通い、この時点から就学が始まると認識されています。フランスの教育は無償であり、家庭の教育費負担が諸外国に比べ小さく抑えられていることは、
前回 『フランス人夫には理解できない?日本家庭の教育支出がフランスの4倍にも上るワケ』に書いた通りです。

子供を持つ上で最も大きな責任の一つである教育、これを社会が支えることの重要性も、同じ記事に書きました。

この時に取材したフランスの新聞JDD紙記者のベルトラン・グレコ氏は、小さな子供のいる女性の職場復帰を、例えばドイツ社会はあまり歓迎していないことを教えてくれました。子供を産んだ後も職場復帰しやすいフランスの環境を選び、氏の友人夫婦はドイツからフランスへ引っ越したということです。

自動給付される家族手当や、母体にかかる負担を分担する制度、母親の社会復帰と自己実現の保証、無償の教育などのほかにも、子供3人以上の大家族には国鉄料金や休暇施設の利用料に大きな得点が用意されていることが、広く認識されています。

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