はじめに

費目を絞って記録するのもよし

変動費も支出が多い費目が複数あります。一度全体的に支出状況の記録ができるとよいのですが、普段も家計簿は続かないとおっしゃられていますから、負担が少ない記録方法を考えてみましょう。お勧めするのは、支出の内訳を知りたい費目に絞って記録をすること。ご相談者の場合は、食費、交際費、被服費、その他に入っている化粧品代などに絞って記録してみるとよいでしょう。

支出の内容が見えると、不要な支出も見えてきます。無理に支出をカットするのではなく、家族にとって必要と思える支出は残し、なくてもよいと思える支出をカットするだけでも、総額は削減されてくるでしょう。すると、クレジットカードの利用も減ってくるかもしれません。

妻もこづかい制導入の検討を

ところで、気になるのは変動費の中の「化粧品代」です。必要かどうかを見極めていくやり方でもよいのですが、妻(ご相談者)もこづかい制とし、その中でやりくりをしていくというやり方に変更してもよいと思います。

現状、妻(ご相談者)の支出は家計の中にちりばめられています。こづかいをもらうなんて気が引けるという方もいるのですが、そう言って妻の支出をブラックボックス化してしまうと、貯金はいつまでたってもできません。例えば、化粧品に毎月お金がかかりがちでも、こづかいがあれば、「今月はこれを買って、これは来月に」という具合に、毎月決まった枠の中で納めることができるようになるでしょう。

こづかいの金額は、こづかいで負担するものをどのように設定するかなどで決めていくとよいと思いますが、無理に低い金額にしても意味がありません。必要なものを買うのに過剰すぎず、少なすぎない金額を検討してみましょう。

学資保険を見直して

固定費の中でも保険料はかなり大きい負担ではないかと思います。47万円弱の収入約14%が、生命保険料と学資保険料です。生命保険のほうはご家族に必要な保障があるかどうかを見直してほしいのですが、学資保険についてはその目的をしっかり考えてほしいと思います。

昔は「教育費を貯めるには学資保険」が当たり前で、子どもがいるご家庭の多くが学資保険を利用していたと思います。ですが今は低金利の時代。昔の学資保険のようには貯まらなくなってしまいました。ですから学資保険を「貯める」目的で利用することはお勧めできないのです。貯めたいのなら、もっと効率的な仕組みを活用検討しましょう。

教育費を貯めるには貯金、投資などの方法がありますが、教育費の場合はどちらか一方に偏ってはいけません。3〜5年程度のうちに必要になる教育費は預貯金で、それ以上先になる教育費は投資で貯めてもよいのですが、お金が必要になる時期に相場が悪くなっている可能性があることも考慮して、まず貯金で優先的に作り、先を見通した時に不足すると思われる金額を投資で作るなど、併用していくとよいと思います。

貯める、投資をするにも、まずは家計の黒字化と貯金ができる運営が大切です。赤字の時に保険で貯めるというのは本末転倒。まずは家計を正常化し、その次に貯めることを考えていきましょう。

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