はじめに
求められるのは、楽しさや刺激ある地方暮らし
経済的豊かさだけを求めるのであれば、東京よりもむしろ他の道府県のほうがよいことを、上記の分析結果は示しています。一方で、東京での生活は実態としては楽ではないにもかかわらず、東京への一極集中が止まらないのには、地方にも魅力に欠ける部分があるわけです。
その一端が、仕事の種類や賃金の低さにあるとは前述したとおりですが、ほかにも「レジャー・余暇」が乏しいと感じられていることが、今回の調査により判明しています。
地方では、自然が豊かで、住まいの周辺環境も良く、家族と過ごす時間を増やすことができます。その一方で、日々の刺激は東京に比べて乏しいのも否めません。買い物やエンターテインメント、活力あるコミュニティへの参加なども、個人にとって豊かさを構成する大切な要素といえるでしょう。
では、どうしたら地方で充実した生活ができるのでしょうか。実は今、地方で儲けるための営利ビジネスとは違う、生活に根ざしたビジネスが生まれつつあります。それは地方で暮らす人々にとって、仕事の場であるだけでなく、生活にハリをもたらすものでもあります。
次回は、地域で生まれつつある、新たな暮らしのビジネス「協同労働」についてご紹介します。