はじめに

65歳以上の女性のひと月の平均消費支出は?

総務省の「1世帯当たり1か月間の収入と支出(単身世帯)」(2019年)によると、65歳以上の女性における1カ月の平均消費支出は14万3,810円となっています。これらには、食費や家賃・地代、光熱費、衣料品、医療費、交通費などが含まれています。

ただし、「家賃・地代」については、こちらのアンケートが家賃・地代を支払っている人の割合が15.1%であり、持ち家の方が多数なので、平均値も6,197円とのみとなっています。もし、賃貸の場合は、もう少し支出が増えると考えたほうが良いでしょう。今回は、住宅の購入のご相談なので、65歳以降の女性は大体14万円程度の準備が必要と考えます。

将来受け取る年金額は?

では、将来受け取る年金額についてみてみましょう。

現在、お仕事をされており厚生年金に加入されています。厚生年金は、加入期間とその間の収入によって受け取る年金額が変わってきます。ご相談者は、20代まで国民年金、30代から厚生年金とのことですので、65歳まで働くと仮定すると、加入期間が35年となります。その間の平均年収を今の手取り年収から逆算して、固めに見て、平均標準報酬額(年収÷12)を40万円と仮定します。

こちらの早見表を参考にすると、厚生年金で92万808円/年となり、月々7万6,734円受給することができます。

国民年金については、令和3年4月分~満額で6万5,075円/月となりますので、65歳以降月々14万1,809円受け取ることが出来る計算となります。

相談者が準備したい老後資金額は?

こう見ていきますと、今の年金制度が続く前提で考えると、ご相談者が65歳まで今の収入で働き続けることができれば、公的年金のみでも、最低限生活は出来そうです。ただ、現在の日本の公的年金不安などを考慮すると、受給開始年齢は恐らく後ろ倒しになるでしょうし、受給額も7割程度で考えておいたほうが良いでしょう。

そう考えると、ある程度の貯蓄は必要だと考えられます。仮に年金受給開始が現行の65歳から70歳からとなれば、14万円/月×5年間=840万必要となり、受給額が3割程度減となれば、約50万円/年の減少となるので、90歳まで生きると仮定すると、50万円×20年間=1,000万円程度が余裕資金として必要な計算となります。

よって、ご相談者の場合、老後の生活を安心して迎える為には、2,000万円程度は退職時に準備しておくと良いでしょう。

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