はじめに
本当に完全リタイアするのか?
一つ目の観点は、私の個人的な意見を申しますと、「完全リタイアは難しいのではないか?」と思います。これは金額という観点からではなく、奥様が働きたいご希望があることと、リタイア後に何かすることが決まっていれば別ですが、時間がありすぎてむしろ困るといったことが起きてくるのではないか、と想定されるからです。
早期リタイア組は、完全にリタイアするケースは少ないように感じます。むしろまた何かしら仕事に復帰するケースも多々見られます。そのため、ご自身のやりたいことがあればそれを優先し、少しは社会との接点を持たれておいたほうがよいように思います。何か面白いビジネスやネタはないか探すといったことでもよいと思います。
住宅をどうするか?
二つ目の住宅購入はなかなか都心だと難しいですよね。とりあえずリタイア前までは今のまま賃貸でよろしいかと。その後、その時の不動産市況でご判断すればよいと思います。
なお、インフレ対策としては不動産は有効となります。また都心に購入されるメリットは、資産価値の保全です。お二人での生活であれば、2LDKなどのタイプでよいと思います。ただ、現状の家賃から考えると、4,000~5,000万円ぐらいの金額であれば購入も視野に入れて良いと考えますが、都心ではなかなか難しいかもしれません。中古でよいものがあれば検討してみてください。
仮に住宅購入を行えば、毎月の家賃相当分は支出を減らせます。どちらがよいかその時に検討する必要があります。
老後資金は大丈夫なのか
三つ目の観点からは、仮に今後45歳までは今の生活で、その後は完全リタイアし同じ家に住むとした場合で考えると、退職金も含めて45歳時点で1億7,000万円ほどの資産が構築できています。投資は増えていないと保守的に想定しています。その後毎月40万円の支出がかかるとすると、年480万円となり、35年分近い支出はまかなえる見込みです。年金もいくらかはもらえること、奥様が今後も働くことを考慮すると、これ以上贅沢をしなければ今のままでもある程度対応できることがわかります。
ただし、インフレに対応していく必要がありますよね。また、介護費用も心配とのこと。介護費用がどの程度かかるかは実際になってみないとわからない部分はあります。ただし、負担割合は介護保険により軽減されていますので、高級な老人ホームに入るといったケースではない限り、現状の資産でもある程度対応できると思います。
インフレへの備えは?
インフレ対応は、現状の投資内容がこの相談内容ではわからないため、なんともいえません。株式やREITの比率が高いのであれば、インフレヘッジはある程度できているのではないでしょうか? あとは貴金属なども視野に入れて、さらなるインフレ対応をしていくことを検討されてはいかがでしょうか。この他、家賃収入や配当金収入により毎年何かしら収入を得る手段も確保すべきです。もちろん、少しは働くというのが無難な収入の確保方法になります。
いずれにせよ、過度の不安は抱える必要はないと思います。それよりも、まずは現状の働き方をどうするか? ご自身の希望通りの働き方、生き方を実践していくことを第一に考え、それが確定した段階で金銭的な見積もりであるリタイアメントプランを設計していくことをオススメします。
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